「畳の上の格闘技」とも呼ばれる競技かるた。百人一首を記憶する力はもちろん、集中力や瞬発力も必要とします。1つでも多くの勝利を重ねるべく日々練習に励む同部の部長・田中美咲さん(高校2年)、副部長の福原美潤さん(同)、顧問の大前満玲教諭に話を聞きました。
顧問の大前教諭
部長の田中さん
副部長の福原さん
ー普段どんな活動をしていますか。

田中:部員は11人で、中学生が1人、高校生が10人です。学校内にある和室で、毎週火、水、木曜日に活動しています。
福原:まず100首を覚えているかどうか確認し、「払い」という札を取る動きの練習をします。その後、部員同士で試合をします。
大前:自主的に活動する中でいろんな経験やスキルを身につけてほしいと思っていますので、練習メニューなどは全て生徒たちに任せています。
ー競技かるたのルールを教えてください。
田中:相対する2人の競技者が取り札1 00枚の中からそれぞれ25枚の札を無作為に取り、持ち札として自分の前(自陣)に並べます。その後15分間で自陣と相手陣の札を覚えます。
福原:読手が読む上の句に対応する札があれば、それを取ります。相手陣の札を取った場合、自陣の札を1枚相手に送ります。先に自陣の札が無くなった方が勝ちです。コンマ何秒の世界で激しく札を取り合うため「畳の上の格闘技」とも呼ばれます。
田中:取り札には下の句しか書かれていないので、100首全てを記憶していることが前提です。覚えるコツは、ここまで聞けばどの歌か特定できるという上の句の決定音「決まり字」と下の句との語呂合わせです。
福原:歌を味わって読むと意味に気を取られかねないので、競技をする上では淡々と覚えるほうが得策です。
ー競技かるたの魅力は何でしょうか。
田中:記憶力だけでなく、集中力や瞬発力も試される点です。試合時間は1時間以上に及ぶこともあります。読手の声に耳を澄ませ、その間相手陣をどう攻めるか戦略を巡らせています。そのため、試合終了後は思いの外体力を消耗しています。
福原:団体戦の方式は大会により異なるのですが、対戦順を決めるところから駆け引きが始まっています。また、試合間でメンバー同士の声の掛け合いもあります。勝負は1対1でも心は皆一丸となって戦っている感覚です。個人種目の色が強い一方でチームワークも問われるところが魅力ですね。
ー今後の目標を教えてください。
福原:私は中学生の時からかるた部に所属していて、悔し涙をのむ先輩たちを見てきました。たくさんの札が取れる競技者になって、雪辱を果たしたいと思います。
田中:1つ1つの試合を大切にして、勝利を重ねていきたいです。また、暗記の精度も高めたいですね。
大前:生徒たちは真面目に一生懸命取り組んでいます。団体戦ではトーナメントを1つでも勝ち進んでいってもらえたらと思います。