常翔学園高校アーチェリー部

70m先のCDサイズ狙う 勝負のカギは精神力

FLOW No.104

「洋弓」と呼ばれるアーチェリーは命中精度を競うスポーツです。手元のわずかな狂いが得点を下げるため、精神のコントロール力が勝敗を左右します。「自己と向き合う日々です」と話す部長の武石将平さん(3年)、広報業務も担う山口莉央さん(2年)、顧問の中林高志教諭に話を聞きました。

  • 顧問 中林教諭

  • 部長 武石さん

  • 山口さん

普段の活動について教えてください。

武石:3年が4人、2年が14人、1年が14人の32人の部活です。うち女子部員が9人です。大会では団体戦もありますが基本は個人競技なので、部全体の決まった休みはなく、部員は個々のスケジュールに合わせて練習しています。

山口:立ち位置から構えて、弓を引き、アロー(矢)で70m先の的を射ます。人によって構え方などが微妙に異なるので、お互いにフォームをチェックし切磋琢磨しています。

アーチェリーの魅力は何ですか。

武石:年齢や性別を問わず、生涯を通して楽しめる点です。また、相対するのは人ではなく動かない的。うまく当てられなくても全てが自己責任です。日々自分と向き合う点が魅力的だと思います。

山口:精神力で勝敗が決まるところですね。最も点数が高くなる的の中心は、直径12·2㎝と、CDほどの大きさの円です。いかに正確に射抜くかを競うだけに、気持ちの乱れから手元が狂うと得点を下げます。パワーやコントロールも重要ですが、冷静沈着な方が勝つ独特の競技です。

中林:個人競技という色が強いので、所属チームの垣根を越えて教えを請うのは他の球技などにはない魅力ですね。常翔学園高の選手らも他校の選手によく話を聞きに行っています。

精神力を鍛えるためにどんなことを心掛けていますか。

山口:日々の学校生活の中で「自分を偽らないこと」です。また、女性ならではの体調や心の変化とうまく付き合い、正しくケアすることも意識しています。

武石:競技中はあえて何も考えないようにして精神統一を図っています。また、全ての矢を一本一本大事にして新たな気持ちで射る、全ての物事を一つ一つ丁寧にないがしろにせず心を込めて臨む、という「千射万箭」を意識しています。これは部のスローガンでもあります。

今後の目標を聞かせてください。

武石:まずは部員個々のスキルアップです。大阪府下には全国区の選手が多数います。その中で勝ち抜ける実力をつけ、常翔学園高から毎年全国大会に出場する選手が出てきたらいいなと思います。

山口:後輩に「部活が楽しい」と思ってもらえるような、部員同士で高め合える環境をつくりたいです。また、SNSで部の紹介もしているので広報活動にも力を入れていきたいですね。

中林:部活動を通して、自主自立の姿勢を身につけてほしいです。練習も個々に任せているのは、そうした狙いもあります。社会に出た時に決して指示待ちになることなく、自ら進んでものごとに取り組む人になってくれたらと思います。

公式YouTubeチャンネル「【学校法人常翔学園】FLOW公式チャンネル」でもご覧いただけます。

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