部員がいなくなるという危機に直面しながらも2017年度に復活を果たしてからは部員数が増えた常翔啓光学園中高の歴史研究部。史跡探訪の他、文化祭でのポスター発表など精力的に活動をしています。部長の境野愛恵さん(高校2年)と副部長の吉川花奏さん(同1年)、顧問の近藤広幸教諭に話を聞きました。
顧問の近藤教諭
部長の境野さん
副部長の吉川さん
ー普段の活動について教えてください。

境野:部員数は高校生が43人、中学生が6人の計49人です。大所帯ですが、他の部と掛け持ちしている部員も多くいます。また、文系ばかりと思われがちですが実は理系の生徒が半数近くいます。
吉川:活動日は毎週土曜日です。文化祭でポスター発表をするのが毎年の恒例になっているので、7月まではテーマを決めたり調べものをしたり原稿を書いたりという作業が中心となっています。この他、月に一度、史跡探訪に出かけます。
ー史跡探訪ではどのような場所に行くのですか。

境野:これまでに金閣寺や龍安寺、清水寺などに行きました。日光を受けて金色に輝く金閣寺は圧巻で、とても印象に残っています。事前に調べてから現地へ行くので、五感で学べるところが醍醐味ですね。
吉川:私は和歌山城が思い出に残っています。春に訪れたので、桜とお城のコントラストがとてもきれいでした。8代将軍・徳川吉宗が花見をするために桜を植えさせたという説もあると先生から聞いて、納得しました。
近藤:生徒には、教科書だけでは学べない「こんな歴史があるんだよ」というのを知ってほしいと思っています。それだけに私自身の事前学習や下見も欠かせません。また、一般的な観光スポットだけでなく周辺地域の情報も伝えるようにしています。普段気にもとめない場所ほど興味深い歴史が隠れていたりするのですよ。
ー文化祭ではどんな発表をするのですか。
吉川:まずは部員全員でテーマのアイデア出しをします。案がなかなか出てこなかったりまとまらなかったり、苦戦することも珍しくありません。これまで「感染症」「スポーツ」などを取り扱ってきました。
境野:地域や時代をあえて限定しないようにしているので、広い視点で情報を集めたり調べたりしなくてはいけません。時間を縦軸、場所を横軸で例えるなら、両軸の組み合わせから歴史を見つめていくというイメージです。
吉川:今年のテーマは「宗教」で、5大宗教(仏教、ヒンドゥー教、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)について調べます。なじみの薄い分野ですが、グローバル化が進むこれからの社会において必要な知識だと思います。文化祭での発表を楽しみにしてください。
近藤:書籍を読むのも時間と労力がかかると思いますが、生徒らはよく頑張ってくれています。こうした取り組みが原体験となって、何事も自分で追求していく力を発揮してくれたらと願っています。