File No.36

部長 北田教諭 顧問 森教諭

常翔啓光学園中学・高校 ワンダーフォーゲル部

想像をはるかに超えた大会規模
トップ選手の気迫とパフォーマンスに圧倒された4日間

FLOW No.96

部長 北田教諭 顧問 森教諭
Profile
きただ・ひろあき ■2004年啓光学園中学・高校(現:常翔啓光学園中学・高校)理科教諭。同年からワンダーフォーゲル部を指導。2011年大阪高等学校体育連盟登山専門部常任委員、2019年から同委員長。2017年大阪府山岳連盟理事(スポーツクライミング担当)。大阪府出身。
もり・まさのり ■2005年啓光学園中学・高校(現:常翔啓光学園中学・高校)国語科教諭。2008年からワンダーフォーゲル部を指導。2011年大阪高等学校体育連盟登山専門部常任委員、2015年大阪府山岳連盟理事(高体連担当)。大阪府出身。

競技運営ボランティアスタッフ

東京オリンピックで初めて正式競技として採用されたスポーツクライミング。8月3日から6日の4日間、世界各国を代表するクライマー男女各20人が、スピード、ボルダリング、リードの3種目複合(コンバインド)でメダルを争いました。日本勢は、女子が銀メダルと銅メダルを獲得し、その活躍が注目されました。

常翔啓光学園中高に、スピード・ボルダリング・リードの3つの壁が一体となった常翔啓光クライミングウォールが誕生したのは2017年5月のこと。前年にスポーツクライミングがオリンピック競技に決定したこともあり、この施設の誕生は多くのメディアに取り上げられました。

左からリード、ボルダリング、スピードの壁が並ぶ

同校ワンダーフォーゲル部の部長である北田教諭と顧問の森教諭は、大阪府山岳連盟の募集に応え、卒業生2人とともにスポーツクライミングの競技運営ボランティアとして、大会を支えました。東京郊外に宿舎を構え、片道約1時間かけて、会場の青海アーバンスポーツパーク(東京都江東区)を往復する毎日。森教諭と卒業生らは、選手控室とウォームアップルームへの立ち入りをチェックするAccess Control を、北田教諭は、選手を控室から試合会場まで送迎するGolf Cart Driver を担当。北田教諭は、「世界のトップ選手と身近に接する役割で、英語のコミュニケーションは難しかったですが、その気迫やオーラは充分に感じられました」と振り返ります。競技は真夏の屋外である点が考慮され、夕方から夜にかけて行われたため、活動時間は14時から23時まで。宿舎に着くのは夜中の0時を回り、就寝は明け方と昼夜逆転の生活でした。2018年にボランティア参加を決め、東京での研修を経て、開催を心待ちにしていた時にコロナ禍で1年延期となり、悩んだ末の決断でしたが、森教諭は、「想像を超えた大会規模や選手のパフォーマンスに圧倒された一生に一度の貴重な経験でした」と喜びを語りました。

東京五輪 x 「Team常翔」