■ 全日本柔道連盟科学研究部で映像分析
東京オリンピックで圧倒的な強さを見せた日本柔道。一時は海外勢に押されていましたが、2016年のリオデジャネイロオリンピックで復活の兆しを見せ、今大会では史上最多9個の金メダルを獲得しました。この大躍進を裏で支えたのが全日本柔道連盟科学研究部で、横山講師はその一員として7月24日~8月1日の 計9日間、現地で試合の映像分析を担当しました。
分析には『D2I-JUDO』という柔道独自のシステムを使用します。試合映像を見ながら、技・組手・反則の種類やポイントなどの情報を具体的に入力しデータベース化するもので、横山講師は「膨大に蓄積されたデータを基に、個々の選手ごとの“戦術カード” を作っていくイメージです」と話します。大会期間中は、IOC から配信される試合映像を見ながら、ひたすら情報を入力していく日々を送りました。システムには、選手のみならず審判の特徴なども入力します。なぜなら、審判によって判定が微妙に異なるからです。「試合はあくまで選手同士の戦いですが、審判によって勝敗が左右されることもあります。それを事前情報によって回避するという点でも、審判を分析することは大きな意味を持ちます」。それだけに横山講師は、2年後のパリオリンピックで科学研究部員として再招集された際には、特に審判の分析に注力し「より詳細なカードを作り、日本代表が戦いやすい環境づくりに貢献したい」と語ります。
実は横山講師は科学研究部員の役割のほか、大会初日のエキシビションとしてペアで行う形の披露も行いました。エキシビションは1964年の東京大会でも行われた伝統あるものです。形の世界選手権で過去7回世界一になった横山講師は7種類ある形のうち、投の形を披露。五輪史の1ページに残ることができましたと振り返ります。「科学研究部員として、形の選手として、多角的に参画できた感慨深い大会となりました」。
