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小川 宣子 講師
おがわ・のりこ 1992年大阪府立公衆衛生専門学校看護科卒。同年星ヶ丘厚生年金病院(現:星ヶ丘医療センター)看護師。2006年星ヶ丘厚生年金保健看護専門学校専任教員。この間2001年社会保険看護研修センター専門学校教員養成科管理専攻卒。2014年人間総合科学大学大学院人間総合科学研究科心身健康科学専攻修士課程修了。同年摂南大学看護学部看護学科特任助教。2016年から現職。大阪府出身。
社会の高齢化がどんどん進む日本では高齢者が要介護状態になることを防ぐ介護予防が、医療費の抑制の面からも促進が急務の国家的な課題です。老年看護学が専門の小川講師は、地域健康教室などの活動を通した研究で、外出時間の違いで手指の器用さの改善の程度が異なる結果に気が付きました。しかし、健康維持に必要な高齢者の外出行動や外出時間を客観的に評価する基準がないことで、それ以上の研究を進められず、壁に突き当たりました。そこで「それなら自分たちで作ればいい」とスタートさせたのが、「高齢者の健康を維持するために必要な外出行動基準の新規開発」です。大阪工大工学部総合人間学系教室健康体育研究室の中村友浩教授と西脇雅人講師と協力して進めています。「高齢者の外出行動を集団で調査してデータ収集をするとともに個人の記録を追跡し、高齢者の健康にどのような影響が出るかまで明らかにし、新基準開発につなげたい」と話します。
高齢者600人を対象に実施する調査は、腰の高さで固定して使用する身体活動量計などを使います。日中活動時間における1日の歩数や移動距離を測りながら、設問形式で買い物、通院、移動手段など行動の内容を1週間チェックします。さらに、ペグボードテスト(四角いボードに碁盤の目のように穴があり、そこに棒状のペグを差し込む)で認知機能などを計測。これらの調査結果を集積して複合的に評価・分析を行います。「外出時間が短くても、家で多くの人と会って会話をしていると認知機能が高いこともあります。思いがけないことが重要な要素であることも想定しておかないといけません」とあくまで科学的エビデンスを重視します。
調査では協力者を対象に健康教室などのセミナーを開催するなど、地域の高齢者の健康意識の高揚にも貢献します。「住み慣れた町で、その人らしく、より長く生活することを大切にしたい」と話す小川講師。地域包括ケアシステムが国の施策として推進される中、老年看護学の重要性が高まっています。高齢者とともに地域を見つめ、健康増進につながる研究を今後も継続していきます。



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