横山 恵理講師

大阪工業大学 情報科学部 情報システム学科

日本古典文学の魅力を情報科学の力で広める

研究最前線

FLOW No.85

横山 恵理 講師
Profile

横山 恵理 講師

よこやま・えり 2003年奈良女子大学文学部言語文化学科日本アジア言語文化学コース卒。2016年同大学院人間文化研究科比較文化学専攻博士後期課程修了。桃山学院大学学習支援センター勤務などを経て2016年より大阪工業大学特任講師、2019年より現職。博士(文学)。長崎県出身。

横山講師が日本の古典文学に目覚めたのは、高校2年の時に源氏物語を漫画化した『あさきゆめみし』(作:大和和紀)を読んだことがきっかけでした。といっても横山家は江戸期に土佐藩の藩校で国学などを教えた学者の家柄で、古い書籍も多く残る環境で育ったことも影響しているようです。主な研究テーマは源氏物語の享受の歴史。「時代ごとに源氏物語の読まれ方が違います。同じ女性でも作品の書写年代によって、好色な女と解釈されたり、貞女と解釈されたりします。その時代が求める女性像や倫理観が反映されるのが面白いです」と話します。

2016年に大阪工大に着任すると連携協定を結ぶ奈良県川上村と深くかかわることに。学部が川上村と共同で立ち上げたWebサイト「桜ライブキャスト」内に、川上村や吉野地方にまつわる文学の連載「そらみつ文庫」を始めました。同村の「あきつの小野公園」の桜をライブ中継するサイト(代表:ネットワークデザイン学科・山内雪路教授)のコンテンツの1つです。「桜中継のアクセス数は春に偏りますが、文学なら年間を通して関心を持ってもらえるのではという狙いで開始しました。それに川上村は『古事記』『日本書紀』の時代から多くの文学作品に描かれ続け、物語があふれる魅力的な地域です」。松尾芭蕉や現代の漫画も登場し、伝統行事なども紹介。写真や動画も豊富な、まさに時空を超えた新しい文学散歩です。「取材で車の運転を始め、休みのたびに川上村へ通っています」と笑います。

学部内のコラボレーションはこれだけでなく、「小倉百人一首学習アプリ」(情報システム学科・須永宏教授)や「源氏物語絵巻パズル」(同)などの学習支援ツール、「信貴山縁起絵巻データベース」(情報メディア 学科・平山亮教授)や「VR伴大納言絵巻」(ネットワークデザイン学科・矢野浩二朗准教授)などの開発に参加。情報科学部ならではのネットワークの成果です。「崩し字をAIに学習させて昔の資料が簡単に読めるようになり、絵巻物をアニメーションにもできます。情報科学の力で古典文学の魅力をもっと広めたいです」と更なる取り組みに意欲的です。

そらみつ文庫のWebサイト
そらみつ文庫のWebサイト
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