川﨑 竜太講師

広島国際大学 医療福祉学部 医療福祉学科

熊本地震がきっかけで災害福祉研究の道に

研究最前線

FLOW No.83

川﨑 竜太 講師
Profile

川﨑 竜太 講師

かわさき・りゅうた 2004年鹿児島国際大学社会学部社会福祉学科卒。特別養護老人ホームのケアワーカーと総合病院の医療ソーシャルワーカーなどを経て、2015年同大学院福祉社会学研究科社会福祉学専攻博士後期課程修了。2016年から現職。社会福祉士。精神保健福祉士。博士(社会福祉学)。鹿児島県出身。

大規模災害時とその後に被災者の日々の暮らしの再建を支援していくことを災害福祉と言います。近年は学会でも災害福祉の分科会が設置されるようになるなど、その重要性が認識されています。川﨑講師はこの新たなジャンルの研究に積極的に取り組んでいます。

「きっかけは2016年に起きた熊本地震でした。もともと九州の母校で就労・自立支援を専門に研究していて、被災者の生活再建ともつながるので関心を持ったのです」と話します。2年前から福祉系大学経営者協議会「大規模災害対応委員会」に所属するようになって、更に深くかかわるようになりました。

災害福祉の考え方を学生や地域に広めようと推進しているのが、避難所運営ゲーム(HUG)です。避難所に見立てた配置図とさまざまな世帯状況や災害時のシチュエーションを記したカードを使用して訓練するもので、昨年6月には、東広島市の地域住民と医療福祉学科生・心理学科生合同で実施しました。矢継ぎ早にもたらされる難しい課題に参加者はグループで避難所運営のあり方を考えました。西日本豪雨後の11月には、医療福祉学科生が広島県立黒瀬高の生徒とも実施。「災害の記憶が生々しい時期だっただけに実体験を踏まえた学びが共有され、参加者らにはとても実りある時間となりました」と振り返ります。今後は、地域特性を反映させたオリジナルカードの作成や地域に根ざした災害福祉の実践を目指します。

川﨑講師はこうした啓発活動に加えて、災害時の自立支援がどうあるべきかも研究しています。被災者に生活再建への一歩を踏み出してもらうために、どのような支援制度が有効なのか、情報発信のあり方について考え続けています。

学生にいつも伝えているのは、「困っている人にどれだけ寄り添えるかを常に考える」ことの大切さです。制度が使えないからと諦めるのではなく、その壁を乗り越えるためには何が必要かを考えることのできる人材の育成を目指しています。

HUGを通じて災害福祉の考え方を学ぶ
HUGを通じて災害福祉の考え方を学ぶ

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