- Profile
-
首藤 祐介 講師
しゅどう・ゆうすけ 2004年中京大学心理学部心理学科卒。2006年同大学院心理学研究科臨床・発達心理学専攻修士課程修了。2011年同博士課程単位取得退学。臨床心理士として10年近く愛知県内各地の病院に勤務後、中京大学心理学部助教などを経て、2017年広島国際大学心理学部心理学科講師。2020年から現職。博士(心理学)。愛知県出身。
首藤講師はさまざまな精神疾患の心理療法の一つである認知行動療法の専門家です。10年近く精神科クリニックや総合病院で臨床心理士として多くの患者の治療に携わりました。認知行動療法とは、クライアント(患者)の行動や考え方(認知)の特徴やそのゆがみに気が付くことができるよう支援し、クライアント自らが問題を解決するように導く(コーチする)方法で、近年はその高い治療効果が世界的に認められています。例えば、ヒアリングによって悲観的な考え方を把握したり、1日の行動記録をつけてもらい、部屋にこもりがちな傾向等の問題を客観的に明らかにしたりして、トレーニングにつなげます。「私の治療は行動から入るやり方です。人は考え方を変えることには抵抗感がありますが、行動は変えやすいのです」。うつ病者が生活や睡眠の習慣を改めるだけでも考え方が前向きになる例もあると言います。
うつ病や強迫性障害、さまざまな依存症などあらゆる精神疾患のクライアントを診てきた首藤講師が研究の道に入ったのは、病気を治すことから更にその先の健康増進に認知行動療法の手法を役立てたいと考えたからです。「病気というマイナスを治療でゼロにしますが、更にプラスにしたいのです」。現在取り組んでいるテーマは「行 動によって人の幸福感(well-being)をどうやって高めるか」です。自分の行動に価値や意味を見つける練習をすると精神的な健康が高まることが分かってきました。
そんな首藤講師が、テレワークやオンライン授業の広がりで起きている新たなストレスについて挙げるのが3つの対処法(コーピング)です。最初の2つはストレス理論によるもので、1つ目は知らなかったパソコンの技術を学ぶなどストレスの原因をなくす問題解決型対処法で、2つ目はストレスを発散させる情動焦点型の対処法です。3つ目は首藤講師の研究の立場から加えるもので、テレワークなどに伴う面倒な行動の意味や価値を前向きにとらえ直すことです。「面倒だけど『将来の自分のスキルにつながる』や『家族の大切さを知る機会になる』などに気付くことができます。行動の価値を見直すことがコロナ時代の新しい生き方の大きな原動力になるはずです」と指摘します。



前の記事へ





