西川 拓孝さん

FLYE JAPAN代表取締役社長

夢の「経営者」を実現 人脈を生かして
新しいビジネスや研究に挑戦

Graduate Voice 活躍する卒業生

FLOW No.94

Profile
にしかわ・ひろたか 2006年摂南大学経営情報学部経営情報学科(現:経営学部)卒。神戸市のアパレル会社「イズム」に入社した後、求人情報メディア大手「エン・ジャパン」などを経て、2014年に「FLYEJAPAN(フライジャパン)」代表取締役社長。地域企業やベンチャー企業の事業支援を行う「有限責任事業組合アドバイザー夢工房」の理事も務める。大阪府出身。

アパレルや人材サービス会社を経て独立し、2014年にデジタルサイネージ(電子看板)の販売などを手掛ける「FLYE JAPAN(フライジャパン)」(本社・大阪府堺市)を創業した西川拓孝さんは、摂南大経営情報学科の卒業生です。次々に取引先を開拓し、ビジネスを提案する西川さんは「新しいことをどんどんやりたい」と意欲的な日々を送っています。






祖父が経営者だった西川さんは、中学の時から「経営者になりたい」という夢を持っていました。ただ、大学に入学した当初はアルバイトなどに忙しく、学業に本腰を入れることは少なかったといいます。

西川さんにとって、転機となったのが大学3年生の時のニュージーランド留学でした。英語は得意ではありませんでしたが、「自由な時間があるのに、遊んでばかりだともったいない」と決意しました。約2年間休学し、渡航費用はアルバイトの貯金などを充てました。

前職の営業先でもある世界一の靴下総合企業を目指す「タビオ」の店舗に納入した電子看板



最初の1カ月はホームステイ生活を送ったものの、それから約6カ月はバスなどを活用し、一人旅で国中を回りました。宿泊するのはモーテルが多かったそうですが、そこでの経験は得がたいものでした。「夜になると、いろいろな国の人たちがリビングに集まってきました。その人たちと交流し、それぞれの価値観や考え方があることを実感しました」と振り返ります。帰国後は、大学の授業への意識も変わりました。留学前は、単位の取りやすそうな授業ばかりを選んでいましたが、経営学や心理学など、自分の関心のあるテーマの授業を中心に選ぶようになりました。

ファッションが好きだったこともあり、卒業後は神戸市に本社を置くアパレル会社に就職しました。約5年在籍し、営業や店舗運営、生産管理などを幅広く経験。ただ、アパレル業界の景気が悪化していたこともあり、いろいろな業界を見て勉強したいという思いから求人情報メディア大手エン・ジャパンへの転職を決めました。「経営者になりたい」という夢は捨てておらず、将来の独立も見据えての転職でした。

エン・ジャパンでは、IT(情報通信)や製造業への法人営業を担当しました。経験したことのない分野で、苦労することも多かったといいます。転職して1年間は、思ったような成果を上げられませんでした。そこで、西川さんは相手先の社長に直接、アポイントを取ることにしました。もちろん、企業のトップに営業が簡単に会えることはありません。電話をかけ続けたり、手紙を書いたり、秘書の方と仲良くなったりといろいろな工夫をしました。社長に会ったときは、さまざまなことを素直に聞く姿勢が気に入られ、本音で話をすることで契約に結びついたこともありました。成績は上がり始め、西日本で月間の営業優秀者として高い評価を受けたこともありました。

2014年に設立した「FLYEJAPAN」でも、そのときの人脈が生かされているといいます。「いろんな人や企業の方のおかげで事業を行うことができていて本当に感謝の日々です。常に感謝と恩返しを忘れないよう心掛けています」。新しいことに貪欲な西川さんは、独立後もさまざまな経営勉強会などに顔を出しています。母校・摂南大の准教授とともに、顔認証マーケティングの研究も進めています。

最後に、西川さんから「後輩たちに、これだけは伝えたい」というメッセージがあります。「みんな、しんどい事やつらい事などいろいろとありますが、人生一回きりですので、何でも前向きに楽しむ事が大切です」。転職や独立後の苦しい局面を、いつも前向きに乗り越えてきた西川さんの力強いエールです。

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