森園 和美さん

デザイナー

ふるさと竹原の魅力を
デザインの力で発信する

Graduate Voice 活躍する卒業生

FLOW No.83

Profile
もりぞの・かずみ
2011年広島国際大学心理科学部感性デザイン学科(現:心理学部)卒。同年広島市の株式会社「お宙(そら)」に入社し地産品の商品デザインやブランディングなどの経験を積む。2014年に独立しmönaca設立。広島市を拠点に出身の竹原市などで活動。同年から穴吹デザイン専門学校(広島市)で非常勤講師(アートディレクション)も務める。2016年竹原市の観光アシスタント「たけはらかぐや姫」に選ばれ2年間、市の観光PR活動などを行う。これまでに第13回ひろしまグッドデザイン賞奨励賞(日本酒のパッケージ)などを受賞。剣道4段。

デザイナーとしてふるさとの広島県竹原市の人々からの信頼も厚い森園和美さんは、広島国際大心理科学部(現:心理学部)で「人間工学」理論に基づいた人に寄り添うデザインを学びました。「地域のための仕事を」と竹原や広島の魅力をデザインを通じて発信するために飛び回る日々です。

子供のころから絵を描くことが好きだった森園さんが、デザインの道に進むきっかけになったのは、高校時代に美術の先生から掛けられた「あなたの描く絵はデザイン的だね」という言葉でした。「心理カウンセラーにも関心があり、広島国際大の心理科学部感性デザイン学科は私に打ってつけの進学先でした」と振り返ります。斜めドラムの洗濯機を考えた教員をはじめ多彩な教員の授業は刺激的で、そこで学んだ使う人の立場に立った商品デザインは、現在の仕事をするうえでの基本になっています。

学生時代はチャンスがあればどんなことも全力でチャレンジ。オープンキャンパスのグッズのトートバッグやうちわのデザインを手掛けたり、大学の短期海外研修支援制度を活用してイタリアにも行き、斬新な配色のデザインを学びました。幼稚園から続けていた剣道では、3年生で中四国大会をベスト8まで勝ち上がり、インカレに出場する快挙を達成しました。今でも頻繁に連絡を取り合う仲間との出会いも貴重な財産です。

卒業後に就職したデザイン事務所から5年前に独立し、デザイナーとして竹原などを中心に活動しています。その仕事は商品のロゴやパッケージデザインから、PRに必要なツールをすべて提案するブランディングまで、多岐に渡ります。「すべてを一人でこなす大変さはありますが、お客様とじっくり向き合って新たなものを生み出すのは大きな喜びです」と話します。おしゃれなイメージよりも幅広い層に訴える「食べたくなる、使いたくなる」デザインを信条とし、NHK朝の連続テレビ小説「マッサン」で話題を呼んだ竹鶴酒造の「酒饅頭」のパッケージや、竹原を代表する3つの酒蔵の純米酒セットのラベル、竹原市のPRポスターなど、作品がコンテストなどで高い評価を得ています。

竹原町並み保存地区で

「この町の変わらないたたずまいが好きです」と、伝統的町並みを誇る竹原の魅力を語る森園さん。デザイナーとしての活動に加えて、2016年から2年間、竹原市の観光アシスタント「たけはらかぐや姫」として活動するなど、ふるさとの盛り上げ役も買って出ています。ふるさとでの活動の傍ら、週に1回広島市のデザイン専門学校でアートディレクションを教えています。生徒たちには「デザインを愛するということと“らしさ” を引き出す商品デザイン」を強調しています。

「120%の濃い学生生活」を満喫し、剣道で身につけた体力や心理学で学んだコミュニケーション力を仕事に生かしていると言う森園さんだけに、「今やっていることには必ず意味があるので、いろんなことにチャレンジして全力で走ってください」と後輩にエールを送ってくれました。

活躍する卒業生