常翔啓光学園中学・高校茶道部

お茶を通して生まれる人とのつながりを大切に
文化を学び、次の世代に伝統を伝える

FLOW No.77

夏の啓光祭では部員たちが涼しげな浴衣姿でお茶を振る舞い、訪れた人の心を癒してくれる常翔啓光学園中高茶道部(顧問・中西敬一教諭)。部長の外川美月さん(高校2年)、副部長の髙尾典佳さん(同2年)、裏千家茶道教授の松本宗葉先生に同部の活動について伺いました。

  • 指導者の松本先生

  • 部長の外川さん

  • 副部長の髙尾さん

普段の活動について教えてください。

外川:1号館2階の和室で月に2回、松本先生の指導を受けながらお点前の練習をしています。お稽古のある日は、まず和室の掃除から始めます。お道具などの準備が整ってあいさつをしたら、主客に分かれて一服いただきます。お点前にはいろいろな種類があるので、内容はその日によって変わります。お稽古が終わった後も、始める前と同じようにきちんと掃除をします。

髙尾:啓光祭ではお茶会を開き、100人近くのお客様にお茶をお出しします。いつもと違って初対面の人が相手で、中には茶道のご経験がある方もいらっしゃるのでとても緊張しますが、本番でも自然に体が動くよう、普段のお稽古では同じ動きや手順を何度も繰り返し練習しています。

松本:中学生は活動時間が限られるため、部員の中心は高校生ですが、「それでも」と強く希望して入部する中学生もいます。希望者の多くは私が担当する情操教育の授業がきっかけで茶道に興味を持ってくれた生徒たちです。授業での学びに加えて、部活動としてお稽古を続けたいと思ってくれるのはうれしいことですね。

部の雰囲気や特長を教えてください。

外川:茶道部といえばおとなしいイメージ があるかもしれませんが、今年は20人と部員数が多く、大勢が和室のあちこちでお稽古しているので、意外とにぎやかな雰囲気です。もちろん、お茶を点てる時や誰かのお点前の練習を見学する時はみんな真剣ですから、集中して静かになります。

髙尾:みんなが和やかにアドバイスし合えるのが茶道部の良いところだと思います。お茶会では周りをよく見て、自分が今どこで何をするべきか考えなければならないので、茶道を学ぶ上でもチームワークは大切です。

茶道の魅力を教えてください。

外川:礼儀作法が身につくことです。茶道を始めてからは自宅でも和室に入ると背筋が伸びますし、「畳のへりを踏まない」といった作法にいつも気を遣うようになり、家族に驚かれました。また、お客様にお道具や掛け軸について説明する機会があるので、知識が増えて興味も広がります。

松本:茶道というのは、お茶を差し上げる相手がいて初めて楽しいもの。一服のお茶を通して生まれる人とのつながりが何よりの魅力です。部員の皆さんはやっと茶道の世界の入り口に立ったところですが、伝統文化を学んでいるという意識を持って、長い歴史の中で教え継がれてきたことを後の世代に伝えていってほしいと思います。

公式YouTubeチャンネル「【学校法人常翔学園】FLOW公式チャンネル」でもご覧いただけます。

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