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FLOW No.112

研究テーマは植物と微生物の関係性の解明
「自分しか見ていない現象発見が喜び」

摂南大学大学院 農学専攻 博士後期課程2年

前田 和弥さん

「キラリ*Josho note」page52 は、摂南大大学院の農学専攻1期生で植物と微生物の関係性を追究する前田和弥さんです。今回も常翔学園のキャンパスでキラリと輝く学生を紹介します。

コロナ禍の進路変更で研究者の道へ 学会で学生優秀発表賞を受賞

前田さんは龍谷大農学部を卒業した2020年、新型コロナの影響で、予定していた就職先との契約に至らず、摂南大農学部の臨時職員として社会人生活をスタートさせました。開設されたばかりの農学部1期生の学びを支える中で自身も大学院で研究を深めたいという思いが芽生え、2022年に理工学研究科生命科学専攻の修士課程に進学しました。同専攻では特殊環境微生物学研究室に在籍したことで、農学部とは異なる視点から研究を深めることができ、自身の研究の位置付けを理解する重要な期間になったといいます。

現在は農学専攻1期生として博士の学位取得を目指し、研究に励んでいます。専門は植物病理学でトマトに感染する病原菌と、それに寄生する菌の関係性を明らかにしています。「研究では、失敗を見越して複数の実験を同時に進めています」と語り、それらの微生物が相互作用した時の遺伝子発現に注目しながら新たな仮説を立て、検証を重ねる日々です。研究の醍醐味について尋ねると、「自分しか見ていない現象を発見する瞬間に、大きなやりがいを感じます」とほほ笑みます。

今年3月には「日本植物病理学会大会」で学生優秀発表賞を受賞。「発表は事前に先生や研究室のメンバーに確認してもらうだけでなく、家族にも聞いてもらい、誰にでもスライドや説明内容が伝わるよう工夫を重ねました」。また、「この賞は、指導教員の飯田祐一郎准教授も学生時代に受賞されていたので、感慨深く本当にうれしかったです」と振り返ります。 

更に4月からは日本学術振興会が優れた若手研究者の育成を目的に設けた特別研究員制度に採用されました。8月にはハワイの国際学会で発表の機会があり、スライドの修正やスピーチの練習を重ね、英語に慣れるために1日15本以上の英語の論文を読むなど入念に準備を進めました。

 「これまでの研究で培ったスキルや思考力を生かし、研究者として活躍したい」。将来の夢を語る瞳がキラリ輝いています。

研究で行き詰まっても自宅に帰って飼い犬の「ジャスティン」を見ると癒やされる

研究で扱うトマトを自分でも栽培

日本植物病理学会 賞状

飯田准教授(後列右から3人目)と研究室のメンバー(前田さんは前列右から3人目)

キラリ*Josho note