「外国語が話せたらかっこいい」という憧れから、2020年に摂南大外国語学部(現:国際学部)に進学しました。しかし、コロナ禍で外出しづらくなり、自然と料理を作るようになり、食への興味が湧いてきました。最初は、食品の裏にある成分表示を読み解くことや、使用されている野菜について調べることから始めました。そのうち、農業の現場を直接知りたいという気持ちが強くなり、枚方市の穂谷自然農園に連絡を取って、畑の手入れや収穫などを手伝うように。農業に魅力を感じたことから、より専門的に学ぶため、2022年に転学部制度を利用して農学部で1年生から学び直す道を選びました。
農学部では、同じ学科で農業に興味を持つ島津明里沙さんと出会い、共に活動を始めました。「一緒に農園に通ったり、枚方マルシェで有機野菜を販売したり、学園祭で収穫した野菜を提供したりする中で、農業の楽しさを更に実感しました」と振り返ります。また、冬には地域の人々との交流イベントを開催し、収穫体験を通じて有機野菜の栄養やおいしい食べ方を伝えることができました。これらの取り組みが注目を集め、農林水産省のホームページや大阪農業振興協会の本に掲載されたり、新聞記事で紹介もされました。
昨秋からは、島津さんと枚方市の就農プログラムにも参加しています。市から提供された畑で種まきから収穫までを体験し、出荷に関する作業も学びました。「受講者との意見交換を通じて、農業の魅力を再確認できたことは貴重な経験でした」と語ります。以前から農業の全工程に携わりたいと思っていたので、このプログラムはそのための貴重な体験になったと実感しています。
将来は、生産者として働くことを考えたこともありましたが、さまざまな経験を積む中で、農業の安定的な経営には販路の確保が不可欠であり、「販路が確保されることで、農業に興味を持つ人が安心して始められる」と感じ、「まずは農業の仕組みを深く理解したい」と考えるようになりました。
現在は、生産者を支援する仕事を視野に農薬や化学肥料に頼らない農作物の流通や販路に関する知識を深めるため、企業のインターンシップに参加し、有機野菜の販促事業に携わっています。卒業後の目標は、これまでの経験を生かして農業経営の確立に貢献すること。「有機野菜をはじめとする、地球にも人にも優しい農業を広めていきたい」。尽きることのない農業への情熱がキラリ輝いています。