小学3年から野球を始めた小泉さんは昨夏、初めて全国大会の舞台に立ちました。広島六大学学生軟式野球春季リーグで優勝した軟式野球部のエースとして、全日本学生軟式野球選手権大会に出場したのです。1回戦で1-3で惜敗したものの完投。「野球人生で一番楽しかったです」と笑顔で振り返ります。
野球に打ち込んだスポーツマンとしての顔の他に、小泉さんにはいくつもの顔があります。2年の時からFM東広島のラジオ番組「広国PARK」を制作・放送する課外のチャレンジプロジェクトに参加。3年の春には東広島市主催の親子向けイベント「こども未来フェスタ」で学生ボランティアスタッフのリーダーを要請されました。約50人の学生を束ねて11月のイベント当日までの半年間の準備を進める大役を「自分が成長できそうだ」と感じてすぐに引き受けたと言います。小さな子供たちも訪れるイベントだけに、安全に一番気を遣い、市役所のスタッフと綿密に打ち合わせをしたり、メンバーのスケジュール調整などやることは多く、「軟式野球部の試合や練習、臨床心理学科の実習もあって夏休みはあっという間になくなりました」と話します。それだけに、無事にイベントが終了した時は、安堵感と達成感に満たされたと言います。
中学時代に野球部監督の恩師にあこがれて教員を志望。心理学を学びながら教職課程を取って社会科教師を目指し、試験勉強や教育実習の準備に忙しい日々ですが、そんな中でも新たなチャレンジを始めています。2月に学内で開催されたリオデジャネイロ・パラリンピック柔道女子の銅メダリスト 廣瀬順子さんの特別講演会に感銘を受け、教職課程の仲間3人で障害を乗り越えて活躍する人たちをテーマにした道徳教材の制作を計画しているのです。「どんな困難でも立ち向かっていけば前へ進むことができる、と子供たちに伝えたいのです」。キラリ光るチャレンジ精神を小泉さん自身が示しています。