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平元 奈津子 講師
ひらもと・なつこ 1998年広島大学医学部保健学科卒。2006年広島国際大学保健医療学部理学療法学科(現:総合リハビリテーション学部リハビリテーション学科理学療法学専攻)助手。2007年同助教。2011年同大学院総合人間科学研究科医療工学専攻(現:医療・福祉科学研究科)博士後期課程修了。2016年から現職。博士(医療工学)。広島県出身。
平元講師は、妊娠・出産といった女性特有の体の構造や役割に注目するウィメンズヘルスの分野で理学療法の観点から研究を進めている、日本における第一人者です。
妊娠すると筋肉などが緩み、腰や骨盤、背中の痛み、尿失禁といったトラブルが起こりやすくなります。また、それらが産後まで続く人もいます。2人の子供がいる平元講師は妊娠した当時、理学療法士として病院に勤務していましたが、自身も体の痛みに直面しました。「妊娠中も職場復帰後も、腰などの痛みがあって本当につらかったです」と振り返ります。
実体験を踏まえ、妊産婦を対象とした研究を思い立ちますが、この分野で日本は海外に比べ遅れていました。身近に研究者がいない中、妊産婦の姿勢に焦点を当て、背骨の弯曲の変化を写真撮影して分析したり、症状を聞き取ったりと地道な取り組みを重ねてきました。
その結果、さまざまな発見がありました。「妊娠するとお腹や胸が大きくなって背中が反りますが、日本人の妊婦は欧米人に比べて背中が平らになる傾向がありました。これは腰痛の原因になります」。また、妊娠中に背中が反り、産後もその姿勢が続く人がいることも分かりました。「赤ちゃんを前に抱えることが多いので重心を後ろに倒してバランスを取っているのですが、これも腰や背中の痛みにつながるのです」と指摘します。
理学療法士はリハビリのプロフェッショナル。姿勢や赤ちゃんの抱き方をどう修正すれば痛みを軽減できるか、妊産婦に有益なアドバイスができます。「このことを知っていただければ、体をきちんと回復させて職場復帰できます。次の妊娠をする時も『子育てっていいな』と精神的なつらさを感じずに済むのではないでしょうか」と話します。
少子高齢化が深刻化する中で、平元講師の研究は少子化対策にも大きく寄与する内容です。「使命感を持って、着実に研究を続けていきたいです」と、力強く語りました。



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