橋田 康皇さん

NTTデータSBC IoT事業部第2システム部主事

誰かが喜んでくれるソフト開発のために
プロジェクトリーダーとしてチームをけん引

Graduate Voice 活躍する卒業生

FLOW No.89

Profile
はしだ・やすきみ 2006年大阪工業大学情報科学部情報メディア学科卒。同年シャープビジネスコンピュータソフトウェア(現:NTTデータSBC)入社。趣味はストレス解消がきっかけで10年前に始めたスキューバダイビングと食べ歩き。奈良県出身。

ソフトウエア開発などを手掛けるNTTデータSBC(本社・大阪市)でシステムエンジニアとして活躍する橋田康皇さんは、大阪工大情報メディア学科の卒業生です。大学を卒業して15年目で、今や会社 を支える中堅としてプロジェクトリーダーも任されています。IoT(モノのインターネット)や5Gなど新技術が次々に生まれる世界で、時代に対応する商品開発に日々打ち込めるのは「使ってくれる誰かが喜んでくれる」との思いがあるからだと言います。

高校で化学の教諭だった父の影響から理科や算数が好きだった橋田さんは、小学生のころにはパソコンを使い始め、中学生では簡単なプログラミングもするまでになっていました。高校も理系で「将来は情報系の仕事がしたい」と考えるようになり、大阪工大 の情報科学部に進学したのも自然な流れでした。

情報メディア学科の橋本渉教授(当時は講師)の研究室ではVR(バーチャル・リアリティ)やAR(拡張現実)の面白さに触れたと言います。卒業研究の4年生の時には、橋本教授の推薦で京都府精華町の関西文化学術研究都市にある世界的研究開発拠点のATR(国際電気通信基礎技術研究所)にも実習生として在籍。「情報通信関連分野の最先端の研究の現場に通うことができて大きな刺激を受けました。いくつかの論文に名前を残すこともでき自信になりました」と振り返ります。ポケットに入れると気付かれにくい携帯電話のバイブレーター機能をシリコン樹脂を使って改良する卒業研究は、ATRでの研究成果でもありました。

会社の新人時代に最初に携わったのは、携帯電話の使いやすいメニュー画面の開発でした。「それがいくつかの携帯電話で採用され、自分で量販店に行って製品を確かめました。店員さんに『これいいですよ』と言われて次の開発へのやる気につながりました」と振り返ります。

今では、システムエンジニアとして1人でプログラミングを担当する仕事と、プロジェクトリーダーとしてチームをまとめる仕事があるという橋田さん。あるメーカーの複合機に搭載するプリンタードライバー開発では、社内2人、国内の協力会社2人と中国の協力企業の3人のチームをまとめあげました。「海外のメンバーとチームを組んで仕事をするためには、文化の違いから学ばなければいけません。例えば休みの取り方から違いますし、中国では出された食事は少し残すのが礼儀とされ、日本の『もったいない』とは相いれません」とその壁を乗り越えて初めて良いものが作れると言います。リーダーとしては、常にメンバーが働きやすい環境、話しやすい環境を作ることに気を配ります。「誰かが喜んでくれるものを作りたいという思いは変わりませんが、今では製品を使ってもらって自分がうれしいだけではダメだと思っています。チームで喜べるよう考えています」とリーダーとしての心構えを明かします。

IoTや5Gが注目されどんどん新しい技術が生まれる時代で、「個人的に展示会やイベントに出掛けアンテナを広げることも大事」と常に勉強は欠かしません。そんな知識の新たな応用を探る日々の橋田さんだけに、後輩たちには「学生時代の昔の自分に言いたいことでもありますが、大学の講義はすべて役に立つ、ということです。どんな意味があるのか分からない講義もあるかもしれませんが、こんな所で役に立つのだと将来気が付くことが多いです」とアドバイスを送ってくれました。

コロナ禍のテレワークも海外企業との会議で慣れていたという橋田さん

活躍する卒業生