森田 美咲さん

大阪府茨木保健所生活衛生室食品衛生課(技師)

食中毒防止の最前線の食品衛生監視員に地域を守る誇り

Graduate Voice 活躍する卒業生

FLOW No.78

Profile
もりた・みさき 2009年常翔学園高校(薬学・医療系進学コース)卒。2015年広島国際大学薬学科卒。同年大阪府庁に薬剤師として入庁し、茨木保健所勤務。大阪府出身。
常翔学園高から広島国際大薬学科を卒業した森田さんは、薬剤師として大阪府庁に入庁し、食中毒を防ぐ食品衛生監視員として“天下の台所” 大阪の街を走り回っています。食品製造の現場などへの抜き打ち検査をする日々ですが、厳しい目を向けつつ、辛口の大阪人を相手に根気よくソフトに改善策を提案します。「来てくれてありがとう」と感謝された時は、地域を守る責任と誇りを実感すると言います。

薬剤師と言えば薬局や病院というイメージですが、森田さんが公務員の道を考えるようになったのは大学のキャリア教育の業界研究で公務員として活躍する薬剤師の話を聞いてからでした。「患者さんとなら1人ずつ向き合うのですが、大勢の人にかかわる公衆衛生行政に興味がわきました。薬剤師として地域を支える仕事がしたくなったのです」と話します。

現在は広域監視担当として茨木保健所と守口保健所の管内を主に担当し、毎日先輩と2人で多い時には4カ所の食品工場や給食施設、飲食施設などを抜き打ち検査します。衛生設備や衛生的な取り組みの点検から掃除の仕方や調理方法のアドバイスまでチェックは多岐にわたります。「あまり歓迎される仕事ではありませんが、『食中毒を出さないという目標はお互いに同じです』と説得し、丁寧に説明します」。強い立場であるからこそ易しい表現と笑顔を忘れません。大阪らしく改善策の提案も「お金をかけずに明日からでもできる提案」を心掛けます。

薬剤師を目指して進学した常翔学園高では、高校1年の時に広島国際大体験で薬学部の見学に参加。「充実した設備に驚きましたし、早い段階で薬剤師という仕事のイメージをつかむことができました」と学園内の高大連携に感謝しています。大学では薬学部学生の全国組織「日本薬学生連盟」の事務局長を務めるなど、広い視野で「薬剤師のあり方」を考えてきた森田さんは、広島国際大が重視する他学部の学生と取り組む専門職連携教育(IPE)にも積極的に参加しました。

一昨年1月から週に2日、仕事の後に家庭環境の多様な地元中学生の学習支援をするボランティアをして、仕事以外でも地域を支えています。後輩へは「将来何をするにしても、早くから情報を集め選択肢を多く持つことはいいことです」とアドバイスしてくれました。

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