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page29

FLOW No.85

卒業研究は「あいりん地区」

摂南大学 住環境デザイン学科4年

松葉 理紗さん

「キラリ*Josho note」ページ29は、摂南大の松葉理紗さんです。今回も常翔学園のキャンパスでキラリと輝く学生たちを紹介します。

原点は幼いころからの絵 人に寄り添った建築家に

自宅のあちこちにポップな絵を飾っていた父の影響もあって、「物心がついたときから絵の具を持っていました」と話す松葉さん。抽象画で有名なロシア出身の画家カンディンスキーが大好きで、「絵は何時間でも描いていられます」と話すだけあって、大阪市立工芸高3年の卒業制作で作った絵本は「毎日・DAS学生デザイン賞高校生の部 銀の卵賞」で入選。摂南大では美術部の部長も務め、大阪の「裏難波」の飲み屋街を描いた作品「味園ユニバース」で昨年の「摂大文化大賞」も受賞しました。好きな映画のロケ地巡りで訪れて目に留まった風景です。「空の紫色のグラデーションにこだわり」と1カ月かけて描いた力作です。


住環境デザイン学科入学当初は高校教諭を目指していましたが、学科で専門科目を学ぶうちに人間工学に基づく建築物や、熱、風、光などの自然に建築を調和させることの面白さに目覚め、本格的に建築の道に進むことを決めました。門真市や交野市との公共建築協働事業にも参加し、自分の考えが実際の形になっていくことの楽しさに気付きます。市幹部らの前でプレゼンテーションを行ったり、テレビ取材のインタビューにも答えたりするなど、研究室の“スポークスウーマン”的役割も務めました。高校1年から地元大阪市西成で続けるファーストフード店のアルバイトで鍛えたコミュニケーション能力のたまものです。


卒業研究のテーマは、その西成の「あいりん地区」で働く人たちの生きがい創出のための建物や芸術活動の場所の研究。戦後日本の高度経済成長を支えてきた労働者の街ですが、労働者の高齢化が進んでいる地区の現状を目の当たりにし、「22年間西成に住んでいるのに何も知りませんでした。自分が学んだことを地元に還元したい」と自身の研究の集大成にすることを決意しました。「建物がただの『箱』になってしまわないように、使う人のことを考えて設計をしたい」と常に人の気持ちになって図面を引きます。


卒業後は「大学院へ進み、建築会社で経験を積んだ後は自分の設計事務所を開きたいです」と将来の夢を語る松葉さん。思いやりにあふれた創作意欲と地元大阪愛がキラリ光ります。

摂大文化大賞を受賞した作品「味園ユニバース」を手に

門真市幹部らに提案プレゼンテーションを行う松葉さん

キラリ*Josho note