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page29

FLOW No.85

ものづくりの視野が広がった金型グランプリ

大阪工業大学大学院 電気電子・機械工学専攻 博士前期課程1年

生田 圭亮さん

「キラリ*Josho note」のページ29は、大阪工業大学の生田 圭亮さんです。今回も常翔学園のキャンパスでキラリと輝く学生を紹介します。

思わぬアクシデントに試行錯誤を繰り返し

今年4月の第11回学生金型グランプリ(日本金型工業会主催)のプレス用金型部門で銀賞を獲得した大阪工大チームのリーダーとして、生田さんは6人のメンバーをまとめました。企業の協力を得ながら学生が金型製作の設計から、金型加工、組み立て、成形までを行い、できた製品の出来栄えを競う大会です。課題は円すい形の「とんがり帽子」。その形を作るための金型を約8カ月かけて製作し、実際に金属の「とんがり帽子」をプレス成形します。

「同期の友人が前回大会に参加していて楽しそうだったので」と自分もやりたいと手を挙げた生田さん。普段はアルミニウム板を鋳造するロールキャスターを研究する生田さんですが、「いつも溶けた金属を相手にしていて、固まった金属を扱うのは畑違いですが、工業大学生としてもっと視野を広げる必要があると自覚していたのでチャレンジしました」と振り返ります。その積極性を買われてリーダーにも選ばれましたが、金型製作は大学の授業にはなく、始めは金型加工の企業の協力でできた図面を理解するという一からの勉強でした。金型の加工、製品のプレス成形は学内の「ものづくりセンター」の設備を使い担当を決めて進めましたが、金型の部品が圧力をかけた時に破損したり、できた製品に割れが発生したり、思わぬアクシデントも。そのたびに試行錯誤を繰り返し、金型の大きな修正は5回にもなりました。そんな苦労の一方で金型加工の9社の現場を見る機会も得ました。「同じ金型でも大型から精密なものまであり、企業ごとのさまざまな工夫やノウハウを学べ、実に楽しい時間でした」と話します。

製品の良さだけでなく「環境にやさしい」金型という課題もあり、プレゼンテーションではプレス時に油を使わないように、部品に特殊な銅合金を使用したことなどをアピールし、企業からも注目され銀賞につながりました。ものづくりへの強い思いは変わらない生田さんですが、「金型加工の奥深さを知って視野が広がり、逆に進む分野に迷いが出てきました」と打ち明けます。知らないことを謙虚に自覚し、成長の糧にしようとする姿勢がキラリ光っています。

完成した金型

金型でプレス成形した製品

金型グランプリで展示したポスターと

キラリ*Josho note