常翔啓光学園中学・高校サイエンス部

「なぜ?」を繰り返し、結果と原因を考察 
身近なフシギを科学する

FLOW No.93

身近なものを使って不思議な現象を作り、その謎をひもとく常翔啓光学園中高サイエンス部。結果と原因の関連性を明らかにすることがサイエンスだと語る同部部長の村上海空斗さん(高校3年)、副部長の髙須隆希さん(同)、顧問の堀内さゆり教諭にお話を伺いました。

  • 顧問の堀内教諭

  • 部長の村上さん

  • 副部長の髙須さん

普段の活動について聞かせてください。

村上:毎週水曜日、化学実験室で活動しています。屋外で実験することもあります。部員は中学生・高校生ともに7人ずつの計14人で、実験内容は自分たちで決めています。

髙須:1つの実験の準備から検証まで約2カ月費やしますが、思ったような結果が出ないことが多いです。そのため実験後は「なぜ失敗したのか」を考え、結果と原因の関係性を明らかにすることに注力しています。

堀内:生徒たちには、実験して終わりではなく結果の分析と考察を欠かさないように指導しています。実験を成功させることがゴールなのではなく、結果に至るまでの過程や理由を科学的に説明できることが重要です。

髙須:部活動の中で行った実験のうちいくつかをオープンスクールや文化祭などで発表しています。成功させなければというプレッシャーと、どんな質問が出るかなという緊張があります。発表した以上、質問には正しく答えないといけませんからね。

今まで行った実験で特に好評だった実験はどんなものですか。

村上:昨年度のオープンスクールで演示した、ダイラタンシー現象を作る実験です。ダイラタンシー現象とは、物体の内部に力がかかることで液体から固体に変化する現象で、水とかたくり粉だけでできる実験です。

髙須:水とかたくり粉を1対2の割合で溶いた液体が一瞬で固体に変化する不思議な現象に、中学生たちはとても驚いていました。外力によって物体の粒子が密集し、粒子間の隙間が小さくなることで強度が増し固体になると説明すると、感心した様子でした。

村上:オキシドール(過酸化水素)の分解反応を利用して、もこもこした泡を噴出させる「象の歯磨き粉」という実験にも興味を示してもらえました。「材料はたいてい100円ショップで手に入ります」と紹介すると、自宅でもやってみようと言う声も聞こえました。

今後の目標についてお聞かせください。

髙須:昨年度はコロナ禍の影響で実現できなかった文化祭での演示実験を、今年こそは行いたいですね。また、部活動を通して得た知見を大学での学びにつなげたいです。

村上:部長として、これまで蓄積してきた実験のノウハウなどを後輩に引き継ぎ、部の更なる発展に貢献したいです。大学は理系に進み、今よりレベ ルの高い実験に挑戦したいです。

堀内:生徒たちには、身近に起きる現象を「当たり前」「そうなるもの」と捉えるのではなく「なぜそうなるのか」と追究する習慣を身につけて欲しいと思います。その積み重ねで思考力を養い、何事も熟考できる人になってくれたらうれしいですね。

公式YouTubeチャンネル「【学校法人常翔学園】FLOW公式チャンネル」でもご覧いただけます。

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