中池 憲明さん

大阪佐々木化学 取締役

アイスホッケー部の鍛錬生きた営業力
社内史上最速33歳で取締役

Graduate Voice 活躍する卒業生

FLOW No.104

Profile
なかいけ・のりあき 2012年大阪工業大学工学部応用化学科卒。大阪佐々木化学入社。2015年同セクションマネジャー。2016年同マネジャー。2018年同ゼネラルマネジャー。2021年同執行役員統括部長。2023年同取締役~現在。大阪府出身。

「薬のまち」と呼ばれる道修町(大阪市中央区)にある大阪佐々木化学の取締役を務める中池憲明さんは、大阪工大応用化学科の卒業生です。学生時代は部活動一色だったと振り返るほどアイスホッケーに熱中しました。卒業後は同社で躍進し、社内史上最速で取締役に就任。立場が変わっても、部活動での経験が生き続けていると言います。







体験のはずが気付けばリンク上

大学時代の思い出は部活動一色と振り返る中池さんは、アイスホッケー部の出身です。大学入学まではバスケットボールをしていましたが、体験入部で「ちょっと防具を着てみよう」と誘われ、気が付いたらリンクの上でプレーするようになっていたと笑います。礼儀作法や上下関係がしっかりしているだけに信頼関係や団結力は強固です。卒業生との交流も盛んな同部には、70歳近いOB もよく顔をのぞかせていました。「学生の時から多くの社会人と接する機会に恵まれ、いろんな人脈ができました。それが仕事をする上でも生きています」と話します。また、部一丸となって1つの目標に向かって進んでいく充実感や、何かを成し遂げた時の達成感を味わえたのも良い思い出です。

大阪佐々木化学は化粧品の原料や容器を中心に開発や卸売りをしています。就職してからは、応用化学科で学んだ知識を生かした営業を重ねました。「どんなに素晴らしい原料でも、売れて世に出なければ意味がありません。研究員の努力を生かすも殺すも営業次第です」。寸暇を惜しんで顧客の元へ足を運ぶ誠実な姿勢が高く評価され、3年目にはセクションマネジャーに昇進。その後、着実にステップアップし、今春には同社史上最速の33歳で取締役に就任しました。

大学時代のアイスホッケー部の練習で。前列左から2番目が中池さん



個より団体 肩書にとらわれない雰囲気を

営業の第一線に立つことは少なくなりましたが、その分大きな案件の交渉が増えてきました。現在は、ロシアのウクライナ侵攻による原料の供給難と価格の高騰が課題です。「ヘアオイルによく使われるヒマワリの油は、実はウクライナ産が多いのです。食品や資源だけでなく、化粧用品にも影響が出ています」。

取締役として社運を握る中池さんですが「若いからこそ肩書にとらわれず親しみやすい雰囲気を作りたい」と言います。肩書を意識してしまうと自分自身はもちろん組織にとってもマイナスになると考えているからです。「会社も部活動も団体組織という面では同じ。個より団体を大切にしながら、それぞれが与えられた仕事をしていけば、大きなことを成し遂げられるはずです」。大学時代の経験は、立場が変わった今も生きています。

それだけに中池さんは「10代のうちから何でもいいのでいろんなことを経験してほしい。そして、人とのつながりを大切にしてほしい」と話します。中池さんならではの後輩へのメッセージです。

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