谷口 健治さん

関西みらい銀行 天王寺支店支店長

高校で宿った「継続、全力、協調」の種
銀行マンの仕事で芽吹き実る

Graduate Voice 活躍する卒業生

FLOWNo.85

Profile
たにぐち・けんじ
1985年啓光学園高校(現:常翔啓光学園高校)卒。大学を卒業した1990年幸福銀行(現:関西みらい銀行)入行。2007年緑地公園支店支店長。その後、本部ウェルスマネジメント推進部部長、平野支店支店長、尼崎支店支店長を経て2018年4月から現職。大阪府出身。

生きるための大事な姿勢は高校時代に自然に身についたという谷口健治さんは、啓光学園高(現: 常翔啓光学園高)でバレーボールと勉学に全力で取り組みました。持ち前の好奇心と行動力で銀行の支店長として多忙な毎日を送りますが、将来は銀行の仕事を通じて、「ものづくりを支える大阪の中小企業のために何かお手伝いをして、自分が生まれ育った大阪に恩返したい」と夢を広げています。

谷口さんが高校3年間の生活の中で手にしたと挙げたのは「継続、全力、協調」という3つの言葉です。「それが人生の種となり、自分の中で育ちました」と話します。バレーボール部の練習は厳しかったですが生活の一部になっていて、学業とともに「とにかく一生懸命だった」と言います。何事にも毎日全力で続ける習慣は社会人となった今も続いています。また、高校時代はあまり目立とうとする性格ではなかった分、先輩・後輩と気持ちを通わせながら協調していくことが自然と身につきました。「その協調性が社会に出て、上司との衝突もなく、また部下とも円満にやっていく秘訣になっていますね」と話します。

現在支店長を務める関西みらい銀行の天王寺支店はあべのハルカスの30階にあり、企業への融資など法人業務を中心に行う同行の大型店です。支店のある天王寺地区はインバウンドで外国人が増える注目のエリアで、融資業務は多忙を極めます。さらに同行は4月に関西アーバン銀行と近畿大阪銀行が合併したばかりで、銀行の心臓部とも言えるシステムの統合を10月に控え、部下の実務研修やスケジュール管理にも目が離せません。支店長として地域の人や企業の社長と話す機会も多い谷口さんですが、通り一遍の話で信頼は得られません。「地域の歴史や習わしなどから勉強し、時には図書館に通って調べます」と打ち明けます。商売人として戦後を生き抜いてきた高齢の顧客から、お金を通した本音の話が聞けるのも仕事の醍醐味です。「その人の苦労がお金になり財産になっているのです」。それを誰に相続させたいかなどの相談相手になるのも支店長の大きな仕事です。

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これまで一番思い出に残っているのは、本部での新部署「ウェルスマネジメント推進部」の立ち上げ。部長としてたった一人から始めました。富裕層の顧客を対象とした投資や事業継承の相続を中心に行う部署で、当時は地方銀行としては先駆けの取り組みでした。それだけに苦労の連続でしたが、「苦労よりは興味が勝つ性格なので新たなチャレンジはとても面白い経験でした」と振り返ります。また、ますます重要になってきた国際業務では、仕事にかかわる国に個人旅行し、商慣習や文化を学ぶなど持ち前の行動力を発揮しています。

銀行マンとしての今後の夢は「大阪に恩返しすること」。「大阪万博にかかわっていきたいですし、ものづくりを行うたくさんの中小企業の技術継承のお手伝いもしたい。個人のお客様には、いさかいの起きない相続提案もしていきたいです」と話します。後輩たちには「高校生活はさまざまな種が宿る時期。どんなことでもいいので自分の興味があることにがむしゃらに取り組んでください。それが将来武器となって、自分を支えてくれます」と好奇心と行動力に満ちた谷口さんならではのアドバイスを送ってくれました。

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