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2024年度のニュース

2024年06月14日

常翔啓光学園中高で司法面接の有効性について学ぶ研修会を実施 摂南大現代社会学部の田中教授が講演

 常翔啓光学園中高で6月6日、摂南大現代社会学部の田中晶子教授を講師に司法面接の有効性と、被害が疑われる子供との適切な関わり方について学ぶ研修会を開催し、教職員85人が参加しました。生徒はなんらかの事件・事故に巻き込まれた時には教員に話をしてくれることがあり、そのような生徒からの相談に備えて、教職員が適切な関わり方を学ぶ取り組みです。

 田中教授は認知心理学を専門としており、虐待や事件、事故を受けた疑いのある子供からできるだけ正確な情報をできるだけ負担を少なく聴取する司法面接の研究をしています。研修は講義と実践を組み合わせた形式で実施しました。中高生の認知発達や、虐待を察知した時の適切な対応、打ち明けてくれた子供へのケアについて学び、参加者が虐待を受けた子供と教員の役に分かれてロールプレイ形式で聴き取る体験にも挑みました。

 田中教授は、子供は「被暗示性」が高く、聴き取りをする時に「○○だった?」などと具体的な情報を示して尋ねるとそれらを自らの考えや体験であるかのように思い込む傾向が強いことや、自分が理解できない知識や質問には尋ねることをためらう特徴があると説明しました。正確なことを話してもらうには、子供が自由に話せるよう促すことが重要だと述べました。また、虐待を疑う事案に接した時には、「誰が、何をしたのか」を確認すればよく、詳細な聴き取りは専門機関に任せるよう強調しました。

 昨年12月に改正刑事訴訟法が施行され、一定の条件下で、専門機関における司法面接の録音・録画媒体を証拠にできるようになりました。教育機関において、子供の被害が疑われる時には専門機関といち早く連携して、子供から詳細な聴き取りのできる専門的なトレーニングを受けた面接者につなげる重要性が増しています。子供と身近に接する教育現場で適切な初期対応と司法面接への理解を広げることは喫緊の課題です。今回、常翔啓光学園中高と摂南大が連携して開催した研修会は、中学、高校の教職員向けの虐待初期対応の研修プログラムの開発に役立てられます。

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グループでのロールプレイも行い、理解を深めた