母校での学びと恩師との出会いが人生を豊かに導いてくれた

広島信用金庫 係長 渉外担当   大峰 啓介   さん

大峰 啓介 さん:広島信用金庫 係長 渉外担当

PROFILE
2005年3月広島国際大言語・コミュニケーション学科卒。同年4月広島信用金庫に入庫。広島駅前支店係長、渉外係で法人マーケットを担当。広島県出身

広島信用金庫で法人マーケットを担当する大峰啓介さん。老若男女を問わない人たちと接する仕事の中で、学生時代に培われたコミュニケーション力を発揮。「広島国際大で学んだからこそ、今の自分がいる」と言い切ります。

「信用金庫は地域の人々や企業の相互扶助を目的とする金融機関です。仕事を通じて自分の生まれた広島の街を知りたいという思いがあります」。大峰さんは広島国際大を卒業後、広島信用金庫に入庫しました。支店の融資係で仕事の基礎固めを行い、渉外係で個人顧客の開拓を経験。再び融資係を経て、2年前から法人マーケットの開拓を担当しています。

社会人になって数年は、ただがむしゃらに突っ走っていました。新規開拓はなく既存顧客を訪問するのですが、当時はゼロ金利で定期預金にメリットがなかったころ。「どうすれば前任者以上の提案ができるのか」と煮詰まり、週末も仕事のことが頭を離れなかったと言います。リフレッシュする方法さえ見つからない状況から脱出できたのは、職場で薦められたセルフコントロールの本を読んで、物事の優先順位をつけられるようになったから。期限を決めてお客様を訪問し、クロージング(商談締結)、契約の可否の返事をもらうという行動計画を立て、一つひとつ実践するのです。「その日にやるべきことが見えるので、翌日の準備もできるようになりました。なかなかお返事をいただけないお客様に対しても区切りをつける時期を決める。これが大事なんです」。卒業後も相談相手として慕う恩師の久次 弘子教授のアドバイスも役立ちました。「物事をこうあるべきと決め付けて格好つけるなと言われました。自分のキャパシティーを超える目標で無理なスケジューリングをするから、しんどくなるのだと」。がむしゃらな努力だけでは結果は出ないことを自覚し、焦らず取り組めるようになったそうです。

社会人としてたくましく成長した大峰さんは、金融実務試験(財務/法務/税務)、ファイナンシャルプランナーや証券外務員の資格を積極的に取得していきます。そして2011年に係長へ昇進。支店長代理を補佐し、一般職の若手とつなぐパイプ役を担います。「各係間の業務が円滑に回るように相互のコミュニケーションをサポートすること」を常に意識して働き掛けています。

「元々はコミュニケーションに苦手意識がありました」という大峰さん。「だからこそ言語・コミュニケーション学科で勉強しようと思ったんです。広島国際大での4年間がなかったら、金融機関で働けるような人間にはなれませんでした」。特に多くのことを学んだのが、久次教授が担当するビジネス・コミュニケーション実習とセルフ・プレゼンテーション実習でした。授業はグループワークや発表の機会の多い実学重視。スーツ姿で名刺の渡し方や企画書作成の手法を学んだり、小学校で子ども相手のプレゼンテーションを試みたり。「同じテーマのプレゼンテーションを低・中・高学年にそれぞれ行うのですが、1年生と6年生では知識の量と感性のバランスが全く違うので、表現の仕方を変えて説明しなくてはなりません。良いプレゼンテーションは相手を分析することから生まれるのだと実感しました」と話します。「久次先生にはチュートリアルでもお世話になりました。入学当初、思い悩むことの多い私に、『4年間あるんだからまだ間に合う。焦ることはない』と言ってくださったことが忘れられません」

金融業は不特定多数のお客様にサービスを提供する業界。さまざまな価値観や生活背景を持つ方と接するため、時には戸惑い、壁にぶつかることも少なくありません。「でも、そこで縮こまらずに勉強することを心掛ければ、打開策は見えてきます。プライベートで出掛けた時に商業施設の接客を観察するだけでも参考になります。そんな向学心をこれからも持ち続けたいですね」。母校が大峰さんの中にまいた成長の種はしっかりと芽吹き、人生を彩る花を咲かせています。

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