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2023.01.05

学園創立100周年記念式典と記念シンポジウムを開催

伝統や基礎の上にこそ革新が生まれる

J-Vision37を発表 教育・研究で学園内連携を強化

学園創立100周年を迎えた常翔学園は10月30日、大阪市北区茶屋町の大阪工大梅田キャンパスOIT梅田タワー「常翔ホール」を会場に、オンライン(ライブ配信)の同時開催による創立100周年記念式典と記念シンポジウムを開催しました。

あいさつする西村理事長

式典には学園関係者をはじめ、後援会や校友会、企業の代表者など325人が出席。更に401人がオンラインでのライブ配信を視聴しました。常翔学園中学・高校の白神順子教諭の司会で進められた式典は、学園の100年を振り返る映像上映の後、西村泰志理事長が「夜間の関西工学専修学校が始まりの学園は、さまざまな時代を乗り越えてきた学園関係者の努力や家族のような絆と地域の皆様のご支援で、3大学2中高を運営する西日本有数の教育機関に成長できました。少子化で学校運営の厳しい中、本日を100年前の先達の思いを掘り起こす機会にしたいと思います」とあいさつ。続いて学園の2037年までの長期ビジョン「J-Vision37」を発表し、学園設置学校間の教育・研究での連携を更に強化することや、グローバルな視点や理論的根拠を持ってさまざまな課題を解決できる人材を育成する、などの3本柱を西村理事長が説明しました。続いて3大学の学長と2中高の校長がJ-Vision37の実現に向けた各校の長期目標などを発表しました。

歌舞伎スター松本幸四郎さんが特別講演

午後からの記念シンポジウム「伝統の継承と革新 ~持続可能な未来を創造する人づくり~」では、まず第1部で歌舞伎俳優で2025年日本国際博覧会アンバサダーの松本幸四郎さんが「歌舞伎が好きと思えた原動力」と題して特別講演を行いました。「10代の終わりに声変わりや足の成長痛などで思うように舞台に立てず、歌舞伎を辞めたいと思いました。父(現・松本白鸚さん)に話すと冷静に聞いてくれて、美声でなくても台詞回しを個性にした名優もおり、短所もバネになる、という話をしてくれました」とのエピソードを紹介。父の言葉が気付きになり、「辞めたいほど歌舞伎が好きなんだ」と前向きになれたと明かしました。更に、伝統文化の歌舞伎には明確な定義はなく、唯一受け継がれてきたと言えるのが「お客様を喜ばせようという精神」で、それこそが歌舞伎の革新性につながると話し、チャップリンの映画『街の灯』を原作にした『蝙蝠(こうもり)の安さん』という新作歌舞伎に挑戦した自身の経験などを紹介しました。

学園3大学の学長とパネルディスカッション

第2部は、フリーアナウンサーの八木早希さんをコーディネーター役に、松本さんと3大学の井上晋大阪工大学長、荻田喜代一摂南大学長、焼廣益秀広島国際大学長によるパネルディスカッションを行いました。各学長がそれぞれの大学の取り組みを紹介した後、「『世のため、人のため、地域のため』という建学の精神に基づいた人材育成は変わりません」(井上学長)、「建学の精神に則った教育として、今の学生に合わせ、長所を伸ばすコーチングや学ぶ姿勢を後押しする指導方法など教育方法を変えています」(荻田学長)、「『ひとをつなぎ、くらしをつなぎ、未来へつなげる』をコンセプトにつながりを重視して、2024年には社会学科の設置も計画(設置構想中)しています」(焼廣学長)、など受け継ぐ伝統の継承と革新へのチャレンジについて議論。松本さんからは「歌舞伎ではさまざまな型という伝統を繰り返し稽古して継承しますが、その中から革新としての“型破り”も生まれます。しかし伝統を継承しなければ“型無し”に終わります」などの基礎教育とイノベーションの関係に通じる興味深い話も出て、会場の431人の聴衆(オンライン視聴は673人)は熱心に聞き入っていました。

会場が湧いた松本幸四郎さんの講演
八木さん
井上学長
荻田学長
焼廣学長
議論が盛り上がったパネルディスカッション