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2022.10.17

<学園卒業生で組織する「城北倶楽部」が学園に久保 修氏の切り絵作品を寄贈>
◎城北倶楽部が切絵贈呈除幕式、講演会を開催

 経済界で活躍する学園の卒業生が交流する「城北倶楽部」が、学園創立100周年記念として切り絵画家 久保 修氏の切り絵作品「飛翔」を学園に寄贈し、10月4日に大阪工大梅田キャンパスOIT梅田タワー1階で除幕式と梅田キャンパスで学ぶ学生を対象にした講演会を開催しました。
 除幕式では、城北倶楽部会長の河野隆章氏の挨拶に続き、西村常翔学園理事長に目録が贈呈され、河野会長と西村理事長による除幕を行いました。
 除幕式には作者の切り絵画家久保 修氏も出席。作品説明では、「伝統ある100年を日本の四季で描いてみたいと思った。設置場所の1階は明るく色々な光が入ってくるのでどうすべきか考えたところ、和紙作家の堀木エリ子さんの顔が浮かび、切り絵を和紙に挟んで漉き込んでいくという今までにない切り絵作品ができるのではないかと相談したところ、一緒にやりましょうと言ってもらった。日本には四季折々の美しい自然、伝統文化が含まれているので作品の中に取り入れながら力強さや優しさを融合させた。この作品には6cmの厚みがある。これが重要でそこにも和紙を巻き込み、黄昏時に往来される方がガラス越しに見ても映えるような作品にした。よく見ていただくと昆虫や鳥などが表現してあり、それを発見してもらえれば嬉しい。作り手がしゃべるよりも作品の方から見ていただく皆さんに語りかけられるような作品。何度でも見ていただきたい」と、作品への思いを語りました。除幕式の最後には西村理事長が謝辞を述べ、贈呈式を終了しました。
 除幕式に続き、梅田キャンパス6階ラーニングコモンズにおいて、学生を対象とした講演会を実施し、学生、教員、除幕式出席者53人が聴講しました。
 講演会の冒頭では久保氏、堀木氏が自身の仕事を映像で紹介し、続いて2氏による対談がありました。
 久保氏は、「大阪工大短期大学部在学中は建築を学んでいたが、紙をナイフで切っていく作業が魅力的で、建築もよいが紙を切って何か表現したいという思いから、独学で切り絵を学んだ。作品に奥行きがあるのは建築の影響で、建築を学んで無駄なことは一切なかった。学んだことはすぐに結果は出なくても、のちにつながる。また人との出会いが大切で、作家の小松左京先生、司馬遼太郎先生、岡本太郎画伯などとの出会いで人生が大きく変わった。作品の批判もされたが、絵の勉強でスペインに行くための支援もしていただけた。若い人に伝えたいのは、チャンスは今、目の前を通っていくかもしれない。そのチャンスに気づくか気づかないかは自分自身。失敗するかもしれないが、自分自身も気づかない才能に気づくかもしれないということ。ものづくりは人の人生や気持ちを豊かにしてくれる大好きな世界。そこから学ぶものはたくさんある。いろいろな角度からものを見ることができる人になり、縦横だけでなく斜めの人間関係も大切にしてほしい」と語りました。
 また堀木氏は、「人生で大事なものが二つある。一つはご縁、もう一つは腹の底から湧き上がるパッション。自分自身にこんなことがしたいという情熱がなければ、ご縁は広がったり深まったりしない。天職をどう見つけるかアドバイスが欲しいと言われることがあるが、天職は見つけたり見つかったりするものではなく自分はこの仕事で生涯がんばるという決心や覚悟をすることが天職になっていく。学生さんには夢を語って欲しい。夢を語るとこんなお手伝いができる、こんな人が紹介できると周りに広がっていく。人に大きな夢を話したり、小さな夢を語ることが恥ずかしいと考える人も多いが、人に話すのにちょうどいい大きさの夢などない。人間は良いことも悪いことも口から言葉で吐くが、「吐く」という漢字は口へんにプラス、マイナスと書き、吐く言葉には良いことも悪いことも入っている。マイナスのことを言わなくなると、「吐く」からマイナスを抜いて、口へんにプラスとなり「叶う」になる。私はできるかできないかで悩んだらまず「できない」を捨てる。物事をできる前提で進め、考え方を変えることで人生は変えていける」と学生に熱いエールを贈り、聴講した学生は二人の情熱的なトークに熱心に耳を傾けていました。

【切り絵画家 久保 修氏プロフィール】
   1951年、山口県美祢市で生まれ、大阪工大短期大学部在学中に切り絵に出会う。
   1991年に文化庁文化交流使に指名され、一時、拠点をニューヨークに移し、切り絵を通じて日本文化を伝える活動など、国内に止まらず、海外での展覧
   会開催など精力的に活動を続ける。
   テーマを「紙のジャポニスム」とし、日本国内を旅して、移り変わる日本の四季折々の「風物詩」や「旬の食材」の生命力にあふれた瞬間を切り取って
   作品に仕上げているのが特徴。
   2019年、山口県文化功労賞および文化庁長官表彰授与。
   豊中市に久保 修切り絵ミュージアムがある。


【和紙作家 堀木エリ子氏プロフィール】
    京都市で生まれる。銀行員を経て和紙の商品開発会社に転職され、2年後の1987年に和紙ブランドSHIMUS(シムス)を設立。
    その後、2000年に現在の株式会社堀木エリ子アンドアソシエイツを設立。
    日本の伝統工芸である手漉き和紙の文化や技術を発展させ、後世に継承していくことを目的に「建築空間に生きる和紙造形の創造」をテーマに活動を
    続けている。
    インテリアプランニング 国土交通大臣賞を始め、数多く受賞。
    2009年から9年間、大阪工業大学客員教授に就任。


                    

「飛翔」お披露目の瞬間

                    
                      

城北倶楽部 河野会長から西村理事長に目録が贈呈されました

                    
                    

久保氏(左)と堀木氏による対談の様子