井上学長徳永さん内林さん左から、井上学長、内林さん、徳永さん、西村理事長西村理事長「構造力学は難しい」とよく言われますが、力のつり合いを考えるだけです。先ほど内林さんからリングの貫接合に関する説明が図解であり、力学的な工夫がよく分かりました。ところで、大阪工大の授業で鍛えられた経験は社会に出てから強みになっていますか?●徳永さん 大阪工大出身者は図面作成など実技の評価が高く、メンタルが強い人も多いと言われています。●植村さん手描きが多く、つらい学生時代でした。今はデジタルツールなどと併用ですが、改めて手描きの大切さや良さを実感しています。●西村理事長一級建築士の製図試験は手描きです。また、基礎を身につけるために手を動かすことは大切です。大阪工大の卒業生は基礎がみっちりたたき込まれているので、企業から高い評価を受けていると思っています。●井上学長 建築学科では製図は今も手描きを大切にしています。それにしても、万博会場を初めて訪れて圧倒されました。予定より早くつながったリングをはじめ、パビリオンも着実に建設が進んでおり感動しました。工期に合わせてきちんとやり遂げることができるのが日本の建設業界の特長であり、すごいところです。いろんな会社、いろんな分野の人が力を合わせて造り上げている素晴らしさを、会場に来た人にも感じてもらいたいです。●内林さんリングは3工区に分かれて3つのJVが実施設計と施工を担当していますが、普段はライバルであるゼネコンが意見交換を行い、アイデアを共有して一つの目標に挑んでいく。通常の現場では考えられない面白さがあります。●徳永さん 万博には多くの所長がいるので、やり方を学んだり相談できたりして、貴重な経験ができています。今後の仕事の大きな糧になると感じています。●内林さん 大林組が担当するリングの基本構造体が完成した時の喜びはひとしおでした。多くの人の協力でやり遂げられたことを祝い、最後の床材の1枚をはめ込む時には吹き流しを付けてセレモニーにしました。万博工事はプレッシャーもありますが、会社を代表して、大阪工大の卒業生として、最後までしっかりやりきりたいですね。植村さん●植村さん 万博会場では建築基準法の一部が適用除外されているので、デザイン的に凝った建物を造ることができます。多彩なコンテンツを楽しむと同時に、建築にも目を向けて関心を持ってもらいたいです。●井上学長建築と土木、さまざまな分野が力を合わせて造りあげている空間を多くの人に体感してもらいたいですね。本学からも宣伝していきますよ。●西村理事長 大阪工大の卒業生の頑張りを見て、学園も一緒に万博を盛り上げたいと感じました。今日は楽しい話をたくさんありがとうございました。04November, 2024|No.109|FLOWの人表紙
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