常翔学園FLOW108号
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23FLOW|No.108|August, 2024学校法人常翔学園にしむら・やすしこの度の理事会において理事長に再任され、3期目を務めることになりました。3大学、2高校、2中学に約2万6千人が学ぶ学園のかじ取り役として、重責に改めて身の引き締まる思いです。学園の更なる発展を目指し、緊張感を持って取り組んでまいりますので、皆さまの変わらぬご協力ご支援を賜りますようお願い申し上げます。学園は一昨年の2022年に創立100周年を迎え、次の100年に向けて第一歩となる2037年までの基本構想「J−Vision37」を策定し、教育・研究の充実に向けて取り組んでいるところです。しかしながら、18歳人口の減少はますます加速し、10年もすれば大学進学者数は現状より大きく落ち込みます。今、「選ばれる学校」としての礎を築かなければ、次なる100年を描くことはできません。学園が設置する大阪工大、摂南大、広島国際大、常翔学園中高、常翔啓光学園中高は、それぞれに素晴らしい教育力や研究力を有しています。教育や研究について自信を持っているからこそ、設置校の取り組みを積極的に発信し、知名度やブランド力を向上させたいと思います。学園の強みは3大学2中高を設置していることです。互いに教育や研究を連携させることが発展につながります。一つの大きな成果として、来春、大阪工大と広島国際大が連携し、大阪工大工学部生命工学科に「臨床工学技士養成コース(仮称)」※を設置届出中です。生命科学から医工学まで対応できる設備・機器をそろえた環境で、両方の知識やスキルを兼ね備えた高い専門性を持つ人材を育成し、国家資格の「臨床工学技士」の受験資格を得ることもできます。高校と大学の連携としては、常翔啓光学園高に昨年度から摂南大の文系学部進学を基本とするクラスを新設しました。高校時代から課題解決型の探究学習に重点的に取り組むので、大学の実践的な学びにスムーズに移行することができます。7年の継続した学びを通じて社会に貢献できる人材育成を目指しています。また、大学間での共同研究が従来から活発に進んでいることから、学生がより広く深く学ぶことができるよう、3大学で共通する科目についてはカリキュラムを体系化し、科目を整理することで大学の垣根を越えて学び合える工夫もできればと感じています。それぞれの大学の特長的な研究を発展させるためには、施設の充実が欠かせません。今夏、大阪工大梅田キャンパスに「OIT esports Digital Area」が誕生し、新たな人的交流を創出します。秋には摂南大枚方キャンパスに薬学部と看護学部、農学部がともに研究できるインキュベーションラボができ、来春には大阪工大枚方キャンパスに最先端のドローン技術が習得できる大規模屋内実証実験空間「DXフィールド」が完成する予定です。未来を切り開く研究や教育が更に増えることを期待しています。学園設置校の取り組みをより広く知ってもらうため、昨年度からは広報事業を強化しました。それぞれの学校が柔軟な発想を生かして、積極的に情報を発信しています。学園は規模としては大きく、長い歴史もありますが、存続には今が正念場です。学園構成員一人一人が危機感を持ち、選ばれる学校に向けて、教育研究力の更なる向上と発展に努力してもらいたいと願っています。※設置計画は予定であり、内容が変更される可能性があります。GAKUEN NEWS今こそ「選ばれる学校」の礎を理事長西村 泰志

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