10August, 2024|No.108|FLOW監督の教え胸に演じたラガーマン役誰にも負けない得意を磨くエキサイティングだった」と振りとと振り返ります。高校2年の時に啓光は全はは全国高校ラグビー大会で2度目度度目の全国制覇を達成。3年にになった高橋さんは自分も会会場である花園ラグビー場ののの高校卒業アルバムのラグビー部集合写真より芝を踏みたいと夢見ます。同じフランカーの選手がケガをすると、1軍に上げてもらえましたが、その選手が復帰するとまた2軍へ。「ラッキーで上がっても、実力が伴わないとそこにいることはできない」。その経験はその後の生き方のベースになったと言います。結局、全国高校ラグビー大会は、右手甲の骨折で大会直前にリザーブ(ベンチスタートの選手)の登録メンバーから外され、スタンドで応援。チームは初戦でまさかの逆転負けを喫します。考えもしなかった事態に、グラウンドから引き揚げた後も現実を受け止めきれずに笑っている選手がいました。その時、監督が「悔しかったら一流になれ!」と一喝。その言葉が心に深く刻まれました。「ラスト サムライ」きっかけに俳優目指す東洋大でもラグビーを続けましたが、卒業後は親の仕事を継ごうと漠然と考えていました。そんな頃、2人の後輩を相次いで失います。啓光時代の1学年下の後輩、そして東洋大の2学年下の後輩。「自分も明日死ぬかもしれない。やりたいことは本当にこれなのか?」と、自分の人生を見つめ直したと言います。そんな時に見た映画が「ラスト サムライ」。映画はほとんど見たことがなかった高橋さんですが、特に渡辺謙さんの演技に鳥肌が立ちました。「自分の純粋な感情を大事にしてみよう」。俳優という仕事は考えたこともありませんでしたが、すぐに芸能事務所に応募していました。 30歳で出演したNHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」で注目され、2年後には「神谷玄次郎捕物控」(NHK)で念願の時代劇に初主演します。アクションを生かした「ハードボイルドな男の作品」に出演したい。そんな思いがどんどん強くなっていきました。2019年に放送されたドラマ「ノーサイド・ゲーム」(TBS)では、ラグビーチームの主将、岸和田徹役で出演。役柄とはいえ、本格的なラグビーシーンを撮るために集められた元日本代表クラスのラガーマンたちをどうやって引っ張っていくか悩みました。そんな時に思い出したのは「普段の生活態度が全てプレーに出る」という高校時代の監督の教え。現場では、エキストラにまで目を配り、一人一人に声をかけるよう心掛けました。「チームのみんなに目立ってほしい」。プレーの場面では、自身は一歩引き、他の出演者を前面に押し出していました。最終回では、そんな高橋さん演じる岸和田のトライシーンを監督の指示で撮ることに。「ガチンコでいこう」とトップスピードで走り込んだところ、相手のタックルで首を痛めましたが、「いいシーンが撮れた」と周りにも喜ばれました。「劇中の涙はみんなリアルに泣いています。それくらい全員の思いが詰まった作品。二度とできない世界かもしれません」38歳から本格的に武道を学んでいます。「誰にも負けない得意なものを確立しないと勝負できない」という強い思いからです。道場に通い始めた時、素振りを「1万回やってみろ」と言われ、多少疑問を感じつつも、コロナ禍で時間もあったため、取り組みました。結果、やる前とやった後で「レベルが違う」ことに気付かされました。「ただやればいいという問題ではないですが、数をこなすことが重要と気付かされました。勉強でも、仕事でも、あらゆることに通じるヒントがそこにはあると思います」。後輩に自身の経験から得た熱いメッセージを語ってくれました。高橋さんのInstagramにアップされている常翔啓光学園中高の山田長正校長とのツーショット写真写真提供:スターダストプロモーション高橋光臣さんの活躍はこちらから巻頭特集
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