ニューウェーブ教育・研究生体の動きを力学的な観点から解明05FLOW|No.107|May, 2024の伝達などを数値化することからアプローチします。 動きやフォームの分析には、「モーションキャプチャ」や「ハイスイスピードカメラ」を使います。モーションキャプチャとは、動きをデをデジタルデータにする技術で、光学式や慣性センサー式があります。ます。光学式は1秒間に250コマから500コマの撮影ができる赤外線カ線カカカカメラを複数台使い、人の関節などにあらかじめ付けておいたマーマーークを追って撮影します。複数台のカメラを使うことで人の目と同じ同じように立体としてとらえるデータを取得することができます。慣性慣性式は身体に装着したセンサーから、上下左右の動きや傾き、方位方位などのデータを取得します(写真1)。取得したデータを元に、元に、パソコン上でスティックピクチャーやセグメントモデル(人の形の形を棒で示した図や人体モデル)などに置換して、身体の動きをきをををを計測します。 今夏はフランス・パリでオリンピック、パラリンピックが開催され、トップアスリートの活躍を目にする機会が増えます。近年、アスリートの技術向上のために注目されているのが動きを解析する研究「スポーツバイオメカニクス」です。スポーツバイオメカニクスの手法を使い、小中高校生の運動能力を伸ばす支援や教材作成に取り組んでいる健康スポーツ学科の塩川満久教授に、その効果や面白さを聞きました。 バイオメカニクスは、バイオ(生体)とメカニクス(力学)からなる用語で、生体の動きを力学的な観点から解明しようとする学問領域です。スポーツを対象としたバイオメカニクスを「スポーツバイオメカニクス」と呼んでいます。スポーツバイオメカニクスは、心技体が重要であるといわれているスポーツの「技」の解明を目指しています。 スポーツは従来「まずはやってみる」ことが重視され、指導も経験やコツに頼りがちでした。しかし、一般的な学習と同じく、理論を学んでエビデンスに基づいて実践することで、より早く、より効果的に技能を向上させることができます。 バイオメカニクスは、動きやフォーム、力の反作用、エネルギー動作解析から運動能力の向上へ
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