06November, 2023|No.105|FLOW㊧ : 母校を訪れ、正門の両側に並んだ学生たちから大歓迎されるナイカブラ選手(中央) ㊨ : 荻田学長(当時)との2ショットラグビー部の現役部員に囲まれて、日本代表ジャージを手に記念写真に収まるナイカブラ選手=摂南大寝屋川キャンパスのグラウンドで2023年10月18日初戦のチリ戦で君が代を斉唱した時に、フィジーからニュージーランドを経て日本に来てトップリーガーになれたことや、選手生命が危ぶまれるけがもあった中で、一生懸命練習してそれを乗り越えてきたことなどが思い出され、頑張り続けてきて良かったという気持ちと、自分を支えてくれた人たちへの感謝の思いが湧いてきました。――今後のW杯への課題をどう感じましたか?ナイカブラ:日本はスキルなどのレベルが高く、ゲームプラン通りに行けばどんな相手でも勝てます。あえて言うなら、体の大きなフォワードがもっと欲しいです。河瀬:海外はたくさんいる大きな選手の中から選べて、層が厚いのです。日本選手の大型化を目指したシステム作りも必要です。――摂南大時代の河瀬監督の教えや印象に残っている思い出を教えてください。ナイカブラ:河瀬監督からは練習に絶対行くこと、練習も試合も同じように全力でやり切ることを学びました。日本語のクラスは役立ち、留学生仲間との楽しい時間でした。トンガ人などの留学生の先輩から日本の習慣などを教えてもらえたのも良かったです。2、3年するといろんな所に行くのが楽しくなりました。また、毎年白浜でビーチラグビー大会にチームで参加したのも楽しい思い出です。河瀬:ジョネのラグビーの能力は高かったので、日本の生活習慣や文化になじませることを第一に考えました。特別スピードとパワーの「らしい」トライ――久しぶりの母校ですが、正門での大歓迎はどうでしたか?ナイカブラ:多くの人たちを見て一瞬緊張で逃げ出したくなりましたが、ありがたく思いました。大学時代に受けたさまざまなサポートには今も感謝しています。摂南大に来なければ、日本代表としてW杯に出場することもなかったでしょう。――初めてのW杯で全4試合に出場し、しかも2トライをあげました。ナイカブラ選手にとってどんな大会でしたか?ナイカブラ:ラグビー人生で一番の経験でした。会場や街の雰囲気も含めて想像以上で、最初は緊張しましたが、自分自身に「ベストを尽くせば大丈夫」と言い聞かせてプレーしました。チリ戦でW杯初のトライは過去一番のトライで、すごくうれしかったです。アルゼンチン戦では、トライを決めることができてチームの雰囲気も「これで行けるぞ」となりました。――河瀬総監督は日本の試合とナイカブラ選手のプレーをどう感じられましたか?河瀬:私が出場した第1回のW杯の頃と比べて、日本はベスト8が普通の目標になるほど強くなっています。ただ今回優勝した南アフリカなどと比べるとまだ越えなくてはいけない壁があると感じました。ジョネ(ナイカブラ選手の愛称)の2つのトライはスピードとパワーで取ったジョネらしいトライでした。――トライ以外で特に印象に残ったことはありますか?ナイカブラ:大会が始まってやっぱりレベルが違うと実感し、チームとして成長しないと勝てないと改めて感じました。また、
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