常翔学園FLOW105号
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12November, 2023|No.105|FLOWコンテンツは個人利用に限った使用をグループに分かれてディスカッションする教員と学生き どワークショップで趣旨説明をする樫原准教授 学生たちは生成AIの活用を積極的に考えるようになりました。生成AIを利用したアプリを作成するなど、さまざまなチャレンジをしています。私の研究室では生成AIの使用を禁止しておらず、危険性や注意点を十分に理解し守った上で、積極的に使ってほしいと思っています。ただし、課題等に使用した時には、自分の考えなのか生成AIに頼ったのかを明らかにしてほしいと伝えています。本人の学習レベルを正しく把握して、的確な指導に生かしたいからです。 注意すべき点としては、入力した内容は、生成AIの学習に使われることがあるので、プライバシーに関わる情報を入力すれば漏えいして、悪用される可能性もあります。使う上で、法律や規則、道徳などを守っているかどうかを意識しておくことも必要です。また、生成AIを用いて作成したテキスト、画像、音声などのコンテンツは、著作権の問題がまだ完全に整理されていません。個人利用に限定することが賢明です。SNSでの公開はもちろん、友達にのみ配布することでも、そのコンテンツがどのように使用されるかを配布者が完全にコントロールすることはできなくなるので気をつけてほしいです。サイバーヒューマンシステム研究室Cyber-Human Systems LaboratoryTOPIC研究室にワタリガニ スマート養殖へ向けて樫原研究室の一角には、ワタリガニを飼育する水槽が設置されています。IoTやAIを活用したスマート養殖を目指して、水質や給餌の管理、24時間体制でのモニタリングや異常検知をスマートフォン等から確認・操作できるシステムの研究開発を行っています。例えば、モニター映像は、昼夜や照明による光の変化、水の濁り、エアポンプの泡によりカニが見えづらくなることから、色情報をグレースケールに変換したり、輝度を補正して精度を上げたりするなど、さまざまな取り組みをしています。また、水質をはじめ、カニの時間帯による行動量の違いや脱皮時期などのライフサイクルといったデータを集めて分析することも行っています。 生成AIは新たな技術で扱い方にはさまざまな考え方がありますが、私は人間の能力を大きく伸ばすきっかけづくりになるツールだと思っています。生成AIの答えだけで満足する人と、生成AIを使いこなして自らの力を伸ばすことで質の高い制作につなげられる人と、今後は二極化されていくのではないでしょうか。自らの成長に生かすためには、生成AIに質問する時の言葉選びや、答えとして示されたテキストの内容について正しさを見極める読解力などの基礎学力をしっかりと伸ばしていくことが必須と考えています。また、学生たちが安心して生成AIを使うことができるよう、安全に使うことができる環境作りにも取り組みたいと思っています。

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