常翔学園FLOW102号
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おかもと・きょうかキユーピー 内定摂南大学 生命科学科4年 アルバイト先で食品ロス問題を目の当たりにした岡本さんは「この問題を解決したい」と食品業界を目指します。うまくいかない日々もありましたが「後悔しないこと」を軸に粘り強く面接試験を受け、内定を勝ち取ることができました。今春からは、キユーピーで新しい生活をスタートさせます。カモミールの葉の中にある成分が痛風にも効果があることから、その成分と同じ構造を人為的に作れないかという研究に摂南大薬学科との共同研究グループの一員として取り組む岡本さん。時間を忘れて没頭し、先生にストップをかけられてしまうほど熱心ですが、「実は最初はそうでもありませんでした」と笑います。教えてもらったことをその通りやっていくだけでしたが、少しずつ成果が出るにつれて手応えを感じ、学問としての興味も湧くように。今では授業がない日でも毎日研究室にやって来ては研究に励んでいます。まだこの世にないものを作るという研究だけに、結果が得られず焦ることもありますが「目標をクリアできた瞬間の喜びは他に代えがたいものがあります」。現在研究はおおむね順調で、来春からは後輩が引き継ぐことになっています。 そんな岡本さんが就職活動で大切にしていたことが「後悔しないこと」でした。アルバイト先のベーカリーで、想像以上の量が廃棄ロスとして処分されていく様子を目の当たりにし、作業工程を工夫することでロス02March, 2023|No.102|FLOWを減らしたいと考えるようになり、食品業界を志望。エントリーシートは50社以上に提出し面接は20社近く受けました。面接練習が十分でない状態で臨んでしまったこともあり、言いたいことが言えなかったりうまく受け答えできなかったり自分の課題を突きつけられ「最初の2カ月間は精神的にも相当しんどかった」と振り返ります。支えになったのは家族と友人で、特に友人は自分と同じように就職活動を頑張る仲間として相談し合うことも多々ありました。準備不足という反省から、想定される質疑応答を全てノートに書き出すなど対策に時間を費やした岡本さんは、次第に本番でも笑顔で相手の目を見て話せるように。キューピーの最終面接では「品質管理の部門で生産工程の見直しや工夫を行い、食品ロス問題の解決に取り組みたい」と希望を語りました。翌日、内定の電話を受けた時は「家族がとても喜んでくれたのは覚えているのですが、うれしい気持ちでいっぱいで、それ以外のことははっきり思い出せません」と苦笑します。 就職活動を振り返って、岡本さんは後輩たちに「しんどい時でも自分が後悔しない選択をしてほしい」と話します。「不採用通知の『お祈りメール』が届くとつらいし妥協したくなる気持ちも分かりますが、就職先の企業とは、もしかしたら長いお付き合いになるかもしれません。だからこそ、あの時頑張って良かったと将来思える道を選んでください」。苦戦はしたものの最後は希望する企業の内定を勝ち取った岡本さんからの力のこもったエールです。研究で使用するカモミールの葉今春、学園全体で約6070人が卒業・修了し、新たな道を歩み始めます。学校生活の全てあるいは大半がコロナに見舞われましたが、そんな中でも目標に向かって努力を続けた先輩たちから後輩へ「エール」を送ってもらいました。「後悔しない」の思いで勝ち取った内定食品ロス問題の解決を目指す岡本 京佳 さん

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