大学開学25周年記念事業■スポーツ・健康フェアについて、「100年前に資金集めに苦労した方々が散財を許してくれるのかと考えました。高い志で夜間に学ぶ学生が給料を学費に充てた草創期の歴史を忘れず、少子化で学校運営の厳しい中、貴重な学費は可能な限り教育・研究に充てたいのです」と理解を求めました。そして最後に「皆様のご寄付はすべて学生・生徒のために使います。本日の式典を社会貢献の情熱に燃えた100年前の先達の思いを掘り起こす機会にし、今後、学園内設置学校が連携し躍進することをお誓いします」と締めくくりました。 続いて次の100年に向けた第一歩となる学園の2037年までの長期ビジョン「J-Vision37」を発表しました=表。「選ばれる学校」でありしらまさ大阪工業大学 学長 井上 晋摂南大学 学長 荻田 喜代一熱心な歌舞伎ファンも駆け付けた松本幸四郎さんの講演広島国際大学 学長 焼廣 益秀続けるために、①学園設置各学校間の多様な分野の教育・研究力連携の更なる強化、②学生・生徒が成長を実感できる教育の展開とグローバルな視点や理論的根拠を持ってさまざまな課題を解決できる人材育成、③設置各学校の構成、規模の最適化を図り、安定した財政基盤を確立し、改革をリードする組織運営体制の構築、というビジョンの3本柱を西村理事長が説明しました。続いて3大学の学長と2中高の校長がJ-Vision37実現に向けた各学校の長期目標などを発表しました。常翔学園中学校・高等学校 校長 田代 浩和常翔啓光学園中学校・高等学校 校長 山田 長正02January, 2023|No.101|FLOW 学園創立100周年、大学開学25周年を記念し、スポーツ・健康フェアを開催しました。スポーツフェアはゲストに男子陸上100m日本記録保持者の山縣亮太選手(セイコー)と慶應義塾大体育会競走部の高野大樹コーチ、東京パラリンピックに出場した古満渉選手と白砂匠庸選手を迎え、トレーニング方法、アスリートの食の大切さ、パラスポーツの魅力を紹介。また健康フェアでは8つのブースを設け、血管や骨の健康状態のチェックなど、各学科の特色を生かしたイベントを実施しました。広島国際大学 11/12・13常翔学園中学校・高等学校常翔啓光学園中学校・高等学校 9/2・3■啓光祭 東京五輪銅メダリスト野口啓代氏を招いたクライミング体験会や卒業生で俳優の高橋光臣氏のトークイベント、新設の人工芝グラウンドでラグビー部交流試合などを実施。歌舞伎スター松本幸四郎さんが特別講演 午後からの記念シンポジウム「伝統の継承と革新〜持続可能な未来を創造する人づくり〜」では、まず第1部で歌舞伎俳優で2025年日本国際博覧会アンバサダーの松本幸四郎さんが「歌舞伎が好きと思えた原動力」と題して特別講演を行いました。10代の終わりに声変わりや足の成長痛などで、歌舞伎を辞めたいと思ったが、父(現・松本白鸚さん)のアドバイスが気付きになり、「辞めたいほど歌舞伎が好きなんだ」と前向きになれたと明かしました。更に、伝統文化の歌舞伎には明確な定義はなく、唯一受け継がれてきたと言えるのが「お客様を喜ばせようという精神」で、それこそが歌舞伎の革新性につながると話しました。学園3大学の学長とパネルディスカッション第2部は、フリーアナウンサーの八木早希さんをコーディネーター役に、松本さんと3大学の井上晋大阪工大学長、荻田喜代一摂南大学長、焼廣益秀広島国際大学長によるパネルディスカッションを行いました。各学長がそれぞれの大学の取り組みを紹介した後、「『世のため、人のため、地域のため』という建学の精神に基づいた人材育成は変わりません」(井上学長)、「『ひとをつなぎ、くらしをつなぎ、未来へつなげる』をコンセプトにつながりを重視して、2024年には社会学科の設置も計画しています」(焼廣学長)、「建学の精神にのっとった教育として、今の学生に合わせ、長所を伸ばすコーチングや学ぶ姿勢を後押しする指導方法など教育方法を変えています」(荻田学長)、など受け継ぐ伝統の継承と革新へのチャレンジについて議論。松本さんからは「歌舞伎ではさまざまな型という伝統を繰り返し稽古して継承しますが、その中から革新としての“型破り”も生まれます。しかし伝統を継承しなければ“型無し”に終わります」などの基礎教育とイノベーションの関係に通じる興味深い話も出て、会場の431人の聴衆(オンライン視聴は673人)は熱心に聞き入っていました。■記念ソング制作 700人のシンガーグループ「humannote」の協力のもと、約1年かけて生徒の想いと教職員の想いを歌詞につなぎ、記念ソング「常翔ライダー」を制作。
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