常翔学園FLOW100号
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おがわ・あつし ■1988年工学部機械工学科卒。兵庫県立洲本実業高校教諭を経て同東播工業高校機械科教諭。1986年男子シングルスカルでインカレ優勝。のツールも活用しながら互いに高め合ってほしいですね。辻 マネジャーとして選手を近くで見ていましたが、建築学科の先輩たちが朝日レガッタ=*=に向けた合宿中に、夜キッチンにやって来て製図をしていたのをよく覚えています。現役部員に聞くと建築学科の部員は今も同じことをしているようです。合宿所には「○○先生の対策ノート」とかも置いてありましたね(笑い)。中林今も艇庫には建築の模型とかが置いてあったりしますが、土木系の雲形定規がいくつもロッカーで受け継がれていたり、他の学科のつじ・かずよ ■1999年工学部機械工学科卒。社会保険労務士(社会保険労教科書も入っていたりします。務士法人北野労務管理事務所代表)。渡辺 私は応用化学科で部員にはあ元会計。まりいないです。教科書はいっぱい置かれていますが、教えてくれる人が少ないですね(笑い)。■朝日レガッタ=レガッタとはボート競技のこと。毎年のゴールデンウィーク期間中に滋賀県の琵琶湖で行われる。約400チームが出場する全国大会さながらの歴史ある大規模大会。1948(昭和23)年に大阪堂島川で第1回を開催。滋賀県で開かれるようになったのは、1953(昭和28)年から。1971(昭和46)年より現在の県立琵琶湖漕艇場で行われるようになった。瀬川 1年生の時に前の東京五輪の強化合宿に召集されました。優秀な選手の中で1カ月必死に練習しボート競技にほれ込みました。その時の仲間とは今でも付き合いがあります。そんなことはボートならではです。社会人になってからは、建築の現場で職人さんたちとすぐに仲良くなれたのもボート競技という団体競技で培ったものがあったからこそだったと思います。一流企業へ就職しているOBOGも多くうれしい限りです。平家 ボート競技をやった学生への企業や社会の評価が非常に高いこともボートの魅力を示しているように思います。協調性、忍耐力、リーダーシップが合宿生活やクラブ運営などを通じて養われます。就職活動でも強みですね。辻 大会前はクルーごとにチームミーティングをします。すごくもめるミーティングもありますが、レースが終わると打ち上げでクルーみんなで泣いていたのが印象的でした。平家さんのおっしゃったように社会に出るとプロジェクトでやる仕事は多いので、小さなチームで話し合って目標に突き進む経験は企業人になってからとても役に立つのではと思います。日後 私は一番しっかりと活動していると感じたクラブが漕艇部だったので入部しました。ボートを始めて感じた魅力は、水の上を走るような感覚や試合での高揚感です。また舟にもメーカーや作られた国によって癖があります。イタリア製ならスピード感があり、ドイツ製なら安定性がすごいです。そんな理系的な面白さもあります。渡辺 安定的に漕ぐのがすごく難しいです。始めは舟が傾いたりバタバタしたりしていたのが、練習やミーティングを重ねていくと舟がだんだん速く進むようになっていくのが魅力です。中林 私はマネジャーですが、高校ではハンドボールをしていました。ハンドボールでは経験者と初心者では実力差が明確で、初心者は2軍的な立場でした。それに比べてボートは一つの舟の中では経験者も初心者も関係なく平等に自分の役目を果たさなくてはならないのが魅力です。団体競技だけど個人に委ねられている部分が多いのも面白いです。せがわ・あきとし ■1965年工学部建築学科卒。重吹会名誉会長。元主将。へいけ・ひろし ■1984年工学部土木工学科(現:都市デザイン工学科)卒。大末テクノサービス取締役副社長。元主将、前監督。■ なかばやし・あすか食えない状況が続いており、協力するための工夫が必要です。─昔も勉強との両立の苦労はあったのでしょうか?小川 私たちのころは大きな大会前にのみ合宿しましたが、夜遅くまで勉強して朝に寝ぼけているのをたたき起こされるということもあり、スポーツ系の大学と比べて甘えが許されず、勉強との両立の苦労は変わらなかったかもしれません。コロナ禍で苦労はあると思いますが、共同生活の中で情報交換し、両立するため08October, 2022|No.100|FLOW舟を真っすぐ進めることだけに集中初心者も役割を果たす究極のチーム競技─ボート競技の魅力や難しさを教えてください。小川 私は高校からボートを始め、大阪工大漕艇部を経て、高校の教員になって高校生にボートを教えてきました。その経験から言うと、ボートは究極のチームスポーツです。ただの「チームワーク」といったレベルではありません。誰かが力を出し過ぎても、誰かの力がなくてもダメで、とにかく舟が真っすぐ進むことに集中しなければいけません。おごりや甘えは許されません。舟を進めるために動きや考え方を洗練させていくと一体感が生まれます。一体感が生まれた時の舟の進み方はとても気持ちよく、それを味わえるのがボート競技の魅力であり目標です。

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