常翔学園FLOW100号
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平家 ボート競技は川や湖などの水域がないとできません。どの大学も水域のそばで長期間の合宿生活をしハードな練習に明け暮れます。文字通り同じ釜の飯を食って汗と苦労、喜び、悲しみを共にするので、自然と絆は強まります。それが先輩から後輩へも連綿と受け継がれます。もう一つ挙げられるのが各年代で苦労して購入した舟やオールなどの道具が代々受け継がれて使われることです。道具にまつわる自分たちの思い出が艇庫の中にあって、後輩たちと共にあると実感できます。だから後輩たちを応援したくなるのです。日後 みな理系なので勉強と部活の両立に苦労するという点で共感し合えます。練習もハードで、「タイムを1秒上げる」など細かな統一した目標がいくつもあり、それを達成するため日々協力していると自然と団結力が生まれます。ただ、今はコロナ禍もあり、同じ釜の飯を 常翔学園の100年の歴史を支えてきた一番大きな柱は教員と学生・生徒、ゼミや部活の先輩と後輩などの人と人との絆です。その絆によって学園の文化や伝統が営々と受け継がれてきました。今回FLOW記念号では、その絆の固さを誇る代表として大阪工大漕艇部のOBOGと現役部員の皆さんに集まっていただき、「100年後に伝統のバトンをつなぐ」というテーマで話し合っていただきました。大宮キャンパスが淀川に隣接する日本の大学では有数の恵まれた練習環境にある大阪工大漕艇部は、OBOG会である「重吹会(しぶきかい)」の結束が固く、現役部員への支援の熱心さでは数あるOBOG会の中では群を抜いています。小さなボートにチームの命運を託し、全員の動きや呼吸、意識がそろった時に得られる一体感は、他の競技ではなかなか体験できないと言います。その競技の“魔力”が結束の固さの大きな理由かもしれません。後列左から、小川さん、瀬川さん、平家さん、辻さん。前列左から日後さん、渡辺さん、中林さん副主将(応用化学科3年)前監督、元主将元インカレ優勝者元マネジャーマネジャー(都市デザイン工学科3年)卒業生重吹会名誉会長、元主将在学生主将(電子情報システム工学科3年)創部60周年記念として重吹会からの寄付などにより購入した新艇「エイト」07FLOW|No.100|October, 2022「同じ釜の飯」の合宿生活勉強との両立の苦労も共有─創部64年目の大阪工大漕艇部のOBOGと現役部員の変わらぬ 結束の固さの秘密は何ですか?瀬川 大阪工大漕艇部は創部64年ですが、100年以上の歴史がある大学ボート部がいくつもあります。そんな歴史ある大学と現役部員は競うわけで、現役とOBOGが離反していては競えません。私は重吹会の創設にもかかわりましたが、OBOGが一体となって現役を支援することを第一に掲げてきました。毎年OBOGらで参戦する全日本マスターズレガッタでも「大阪工業大学重吹会」の名前を掲げます。大阪工大漕艇部が最近は全国的に認知されてきたと感じてうれしいです。もっともっと強くなって名前を広めてほしいです。100年を越えて伝統のバトンをつなぐ大阪工大漕艇部 卒業生・在学生座談会瀬川 穐俊さん平家 博さん小川 厚さん辻 和代さん日後 太一さん渡辺 健さん中林 明日花さん安全と感謝の思いを胸に OBOGと現役に固い絆

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