常翔学園FLOW100号
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やまだ・ながまさ ●14代校長。1983年啓光学園高校普通科卒。1988年関西大学文学部英文学科卒。同大学事務職員を経て、1990年啓光学園中学・高校(現:常翔啓光学園中学・高校)英語科教諭に。進路指導部長を経て、2016年同高校教頭。2021年4月から現職。大阪府バレーボール協会公認上級指導者。大阪府出身。高校ラグビーで全国を舞台にしのぎを削っていたライバル校と同じ学園の仲間になると分かった時は驚きでしたが、「世のため、人のため、地域のため」という学園の建学の精神に親和性を感じたのを覚えています。来年で校名改称(2008年)から15年となる現在、「常翔啓光」という名も北河内地域に定着したことを実感する機会も増えました。学園創立100周年記念募金も使った人工芝のグラウンド整備が完成し、9月の啓光祭で100周年イベントを実施するなど、生徒たちにも学園の100年の歴史がより“見える化”しました。常翔啓光となってからを振り返ると、施設面の充実が大きく進みました。校舎の建て替え、クライミングウォール、ミューズギャラリーなどのスポーツ・音楽施設の完成が生徒たちの学校生活を豊かにしています。男女併学化を経た男女共学化(2011年)も大きな変化でした。学年主任でしたが、初めての女子生徒への対応は手探りでした。授業では男子生徒とは笑いのツボが違っていて、思わぬところで笑いが起きるなど戸惑いましたが、学校全体が明るく元気になりました。男女共学化は生徒の学習意欲への刺激にもなり、大学進学実績も大きく向上してきました。新校舎の1号館が竣工(2011年)したころからメディアに取り上げられることも増え始め、生徒数も今では当時の約1.5倍に増えました。私は校長方針として「2050年の世界で活躍する人材育成」を掲げてきましたが、これからの日本は人口減少が進み、生産年齢人口も減ることから、海外から入ってくる人々と共存する社会にならざるを得ません。J-Vision37の将来像に入れた「世界で活躍できる人材」としてグローバルマインドを身につけた生徒、つまり英語をツールとして使え、英語で意思表示ができ、やりたいことや言いたいことをしっかり持った人材の育成が求められています。また、見えない学力として人間力を育てることを今後も教育の柱とし、その手段として探究活動を強化します。生徒の満足度を向上させるために、なりたいものややりたいことを生徒が見つけられるような心を揺さぶる行事にも積極的に取り組みます。学園内連携では、本校に入れば誰もが学園設置3大学に進学できるような仕組みを検討します。大学進学では今春、国公立大学への進学者数が過去最多を記録しましたが、最近は教員がアドバイスする以前に自分で調べて「この大学でこんな研究をしたい」と言ってくる生徒が増えてきました。“自走”できる生徒を増やすという目標が少しずつ実を結んできたと感じています。生徒と教員の距離が近いという本校の強みを生かしながら、未来から預かった宝物である子供たち一人一人を教員がよく理解し、将来活躍できる人材に育てるためにできることは何でも実行し、改革すべきことは改革していきます。増えてきた“自走”できる生徒常翔啓光学園中学校・高等学校1957(昭和32)年にカトリック聖クラレチアン宣教会を母体に学校法人啓光学園が設立した啓光学園中学校に始まり1960(同35)年に高校を開校。2007(平成19)年11月に学校法人常翔学園と法人間の連携協定を締結。翌年から常翔啓光学園中学校、常翔啓光学園高校と改称。2013(同25)年4月に学校法人常翔啓光学園と学校法人常翔学園が法人合併し学園設置学校の一つに。2009(同21)年男女併学、2011(同23)年から男女共学に。2017(同29)年に国際大会開催も可能な常翔啓光クライミングウォールが完成。ラグビー部は通算7度全国優勝。生徒数は中学校216人、高校1268人(※)。(※)2022年5月1日現在。常翔啓光学園中学校・高等学校校長 山田 長正学校を元気にした男女共学化心を揺さぶる体験を生徒にMessage from the president / principal24October, 2022|No.100|FLOW

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