常翔学園FLOW100号
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たしろ・ひろかず ●11代校長。1985年同志社大学文学部英文科卒。1986年大阪工業大高校(現:常翔学園高校)教員に。進路指導部長、教頭などを歴任し、2022年4月から現職。教科は英語。「英語授業研究会HARVEST」本部役員。「教育メタバース研究会」代表。趣味は読書や旅行、スキー。座右の銘は米国の小説家ソール・ベローの「Seize the Day(今を生きる)」。福岡県出身。100年という節目を迎えるにあたり、伝統ある学園の中高の校長であることに誇りと責任を感じています。日本の産業の発展に寄与した学園の歴史は私たちの誇りであり、本校も私自身も今後更に前進してゆく決意を新たにしています。また、100周年の記念事業としては「常翔ライダー」という記念ソングを作成し、生徒たちにも親しんでもらっています。振り返ってみると、2008(平成20)年の大阪工業大学高等学校から常翔学園高等学校への名称変更が本校の歴史においての大きな出来事だったように感じます。最初は戸惑いもありましたが、「工業」や「男子校」のイメージがなくなり、女子生徒が増えるなどの変化が起き、校名変更がポジティブに捉えられていきました。次に2011(同23)年の中学校の開校により、6年間の中高一貫教育で、より常翔ならではの教育を体現できる生徒を育てることが可能になりました。また、キャリア教育、探究学習、グローバル教育、ICT教育など特色教育の発展は、大学進学実績の向上とともに生徒・保護者に評価され、入学者増にもつながり、学校に活気が出てきました。その結果、本校は全国的に注目されるようになり、コロナ前には他校からの視察は年間20件くらいに増えています。最近は科学探究授業ガリレオプランの生徒の発表レベルが非常に高くなり、台湾やフランスの学校とオンラインで生徒同士が交流する取り組みも進めています。J-Vision37では将来像を大きく見直しました。今までの「地域有数の進学校となる」という将来像は国公立大(大学校も含む)へ100人以上が合格するようになり、ほぼ達成されました。次のステージとして「グローバルシチズンシップを身につけた自律的学習者を育成する教育先進校になる」ことを掲げました。ただし、進学実績を軽視するわけではなく、教育の中身が良くなれば進学実績も自ずと伸びるという考えです。また、「教師が教える」から「生徒が学ぶ」という、生徒が中心、つまり「生徒が主語になる教育」に転換します。生徒主体の学校運営も進め、例えば生徒も参加する「校則変更プロジェクト」を立ち上げました。さらに、教育がどんどん変わる中で、外に出て学び、進化し続ける教員集団を作り上げます。本校独自の研究紀要「翔風」の発行などにより、先生らの研究や研修も奨励します。また、学園内連携では今年度、常翔啓光学園中高との合同研修会を初めて開催しましたが、互いの教育課題に関する情報交換などを進め、切磋琢磨する環境を構築します。学園設置3大学へ進学し、リーダーとなれるような生徒の内部進学も増やします。100年後の本校の姿として、いろんな国の留学生が当たり前のようにいて、英語や中国語、韓国語などの外国語が飛び交う、生き生きとした学校になっていることを思い描きます。校則変更に生徒も参加 学長・校長メッセージ常翔学園中学校・高等学校校長 田代 浩和特色教育を推進し教育先進校に生徒が主語の教育や学校運営を常翔学園中学校・高等学校 1948(昭和23)年に機械、電気、建築、土木の4科からなる工業科の摂南学園高等学校として開校。翌年普通科を増設し、1950(同25)年に大阪工業大学高等学校に改称。1972(同47)年、男女共学に。2003(平成15)年、普通科のみに。2008(同20)年、常翔学園高等学校に改称。2011(同23)年、常翔学園中学校が開校。職業観を養うキャリア教育や先進的な課題探究活動の取り組みへの評価が高く、国公立大に100人以上(大学校を含む)という大学進学実績の伸びでも全国から注目されている。ラグビー部は5回の全国制覇を誇る強豪。2021(令和3)年には冷暖房完備のアリーナなど備えたスポーツ施設「中学高校東館」が完成。生徒数は中学校419人、高校1994人(※)。(※)2022年5月1日現在。23FLOW|No.100|October, 2022我が校の未来へ 踏み出す一歩

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