常翔学園FLOW100号
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やけひろ・ますひで ●5代学長。1983年広島大学医学部医学科卒。広島大学医学部助手、講師を経て1998年広島国際大学教授に。総合教育研究機構長、学生支援センター長、教務部長、副学長を歴任。2015年11月から現職。博士(医学)。広島県出身。創立100周年を迎える常翔学園の中で、広島国際大は来年で開学(1998年)から25周年となるまだ若い大学です。しかし、歴史ある学園の一員であることが、学生や保護者、地域の人々の本学に対する安心感や信頼感につながっており、歴史の重みに助けられたとたびたび実感しています。これまでの本学の歩みの中で節目となった出来事を挙げると、まず2013(平成25)年から「健康・医療・福祉分野の総合大学」という位置付けを明確にしたことです。その時に掲げたタグラインが「いのちのそばに。ひととともに」です。次に私が学長となった2015(平成27)年に「ともにしあわせになる学び舎」という将来像を定め、人と人とのつながりや連携を重視し、地域での活動も活発化したことです。それが2020(令和2)年の健康スポーツ学部と健康科学部の誕生にもつながりました。2020(令和2)年に3キャンパス体制を東広島と呉の2キャンパス体制に移行したのも、学生らの連携をより高めるためでもあり、学内、学外の連携は本学の歴史にとってもキーワードです。J-Vision37に基づく次期「将来像」は、若手の教職員たちが1年かけて考えました。「ひとをつなぎくらしをつなぎ未来へつなげる」という表現が新たに加えられ、地域社会と連携する姿勢を明確にしたもので、私と若手教職員の思いが一致しました。学生には専門知識を生かして、地域と連携した活動にどんどん挑戦してもらいます。そのためにも、日々の授業や国家試験の受験勉強に取り組む中でも、余裕のある学生生活ができるように、教育の質を上げなくてはいけません。開学以降、医療・福祉領域においては本学の存在感が確立されてきました。今後、健康・well-being領域での存在感をさらに高めていきます。そのために、社会学科の設置を検討しています。さらに、医療・福祉サービス利用者のケアを学科混合のチームで考える「専門職連携教育」の対象を地域と連携した健康領域にも拡充したり、市民を対象とした公開講座の「広国市民大学」、「しあわせ健康センター」の運営に学生参加を推進したりして、地域との連携を深め、地元の人々に「広島国際大学がなくなったら困る」と言ってもらえる大学を目指します。連携では学園内連携も重要です。同じ薬学部、看護学部を持つ摂南大とは、オンライン授業も活用して国家試験対策の科目での連携を考えています。大阪工大生命工学科の学生が本学と連携して臨床工学技士の国家試験の受験資格を得られるような制度も検討しています。知識の習得がどこにいてもICT活用で可能になり、そうやって得られた知識を応用することをサポートするのが大学の未来像かもしれません。ICT活用で学生のポテンシャルを見つけ、伸ばす教育に本学は取り組んでいきます。教育の形がどう変わろうと、「地域社会や人々をしあわせな未来につなげる」姿勢に変わりはありません。広島国際大学地域との連携 学園内での連携広島国際大学学長 焼廣 益秀学園の歴史の重みも信頼に健康・医療・福祉で存在感1998(平成10)年、広島県賀茂郡黒瀬町(現:東広島市黒瀬学園台)に開学。6学部11学科、大学院4研究科、1専攻科(※)を擁し、中国地方有数の規模を持つ健康・医療・福祉分野の総合大学。東広島と呉の2キャンパスの総面積は阪神甲子園球場約10個分の約41万㎡で、4103人の学生・院生等が学ぶ(※)。県外出身学生の割合が約40.4%。取得できる国家資格は17に及び、学生の就職率は97.1%(※)。(※)2022年5月1日現在。22October, 2022|No.100|FLOW

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