常翔学園FLOW100号
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おぎた・きよかず ●11代学長。1977年近畿大学薬学部卒。1979年長崎大学大学院薬学研究科製薬化学専攻修士課程修了。1983年大阪市立大学大学院医学研究科生理系専攻博士課程修了。1984年摂南大学助手に。講師、助教授を経て2004年教授。薬学部長、大学院薬学研究科長、教務部長、副学長を歴任。2019年11月から現職。医学博士。大阪府出身。学園創立100周年を迎えて、改めて本学が歴史ある学園の一員であることに誇りを持つとともに、責任の重さを痛感します。また、次の100年のスタートに当たって、発展し続けるための決意を新たにしています。学園の原点は不足する大阪の工業・産業をけん引する技術者や管理者などの人材を養成したことですが、本学も幅広く多様な学びを通して、社会に貢献する人材育成を使命と考えています。開学(1975年)から半世紀近い本学の歴史の中で近年の大きな節目となったのは2020(令和2)年でした。まず寝屋川キャンパスの隣接地を取得し実現した新グラウンドを設置。これによって課外活動が活性化し、旧グラウンド跡地を食堂、新学部棟用地に活用できました。更に農学部の開設は教員の研究論文の増加や学内ベンチャー立ち上げなど研究の活性化を生み、地域自治体との連携も活性化しています。2010(平成22)年度から本格的に実施している地域PBL(課題解決型学習)を基に、2015(平成27)年に文部科学省「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)」(和歌山大学の参加校)に採択されたことは全学的教育改革につながりました。「ソーシャル・イノベーション副専攻課程」を2016(平成28)年に開設し、本学の学びがアクティブ・ラーニングへ転換するきっかけとなりました。またコロナ禍では、学生・教職員のICTツールの活用が促進され、新たな授業方法(オンデマンド型授業、反転授業、LMS活用など)の開発が促進されました。本学の伝統は「学生の成長第一主義」です。本学卒業生がJ-Vision37の教育の理念に掲げる「人間力」、「実践的能力」を身につけていることは、就職先企業などのアンケート調査からも明らかです。それらの力は学部・学科での学びやPBLプロジェクト活動、課外活動、その他の学生プロジェクト活動で着実に育んでいます。これからの課題は、人間力を磨く初年次教育と教養教育への改革です。初年次教育では数学(使える数的処理能力)、データサイエンス、日本語表現力、使える英語などに力点を置きます。また、教養科目はアクティブ・ラーニング型授業や副専攻化を目指します。本学の強みの一つである高い就職力、満足度の高いキャリア形成支援も、新たに2年生を対象にした早期就活力養成講座やアントレプレナーシップ養成プログラムなどで強化します。本学のそうした強みを広く高校関係者や社会などに発信していきます。また学園内連携を強化するため、共同での教育動画コンテンツの作成・活用や共同授業などの運営、共同研究の活性化も図ります。本学は学生の人間としての力、特に非認知能力(対人能力、自己制御能力など)とその時代に必要な実践的能力を磨き続けることのできる大学でありたいと考えます。その価値を変えないために、変わり続ける(変革できる)大学であり続けます。初年次教育と教養教育の強化摂南大学1975(昭和50)年開学。工学部1学部からスタートし、その後、理工学系・人文社会科学系・医療保健学系・農学系の学部を持つ総合大学として発展し、現在8学部に学生9187人、大学院6研究科に116人の院生が学ぶ(※1)。専任教員1人当たりの学生数は関西の私立大学で最少(※2)。きめ細かな指導に定評がある。学生のPBLプロジェクト数は2010年度から21年度までで130。来春には現代社会学部を開設予定。寝屋川と枚方の2キャンパス体制。 学長・校長メッセージ摂南大学学長 荻田 喜代一地域PBLやアクティブ・ラーニングで学生の成長第一主義が伝統に(※1)2022年5月1日現在。(※2)旺文社「大学の真の実力 情報公開BOOK」2022年度用。21FLOW|No.100|October, 2022我が校の未来へ 踏み出す一歩

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