常翔学園FLOW100号
19/28

いう点があります。最近の100年少しで経営学において労働の成果を評価することでパフォーマンスが向上する事実が明らかになりました。また、約80年前に登場したコンピューターの発展・普及によってムダの少ない経営活動が広がり、さらに現在では人の感情の動きまでSNSなどから推測し、人々がなぜ自ら頑張るのかが分かりつつあります。100年後の未来では、人が働くことが楽しみとして定義され、より自分に合った楽しみを得るための遊びとして、今とは逆に対価を支払って働くようになると想像します。2 地球に優しい企業間競争になる実現可能性 80% 企業活動が環境に与える影響が目に見える形で表されるようになるセンサー技術やデータ処理がさらに発展、連携することで、持続可能性を実質的に担保できるような競争の枠組みが出来上がり、地球の環境負荷を一定レベルに維持できるような企業間競争が実現する未来になると思います。3 高等教育の形が変わり  「経営情報学」の進化系が重要に■ 野村佳子・摂南大経済学科教授  分野=観光1 世界中の人々が自分の行きたいところに  自由に行ける実現可能性 70% 経済的な余裕があることが必要であり、貧困に苦しむ人がいなくなること、そして、すべての人が長距離でもストレスを感じたり、不自由な思いをしたりすることなく移動するために、より高速で快適な交通手段とそれを支えるテクノロジーが必要となります。また、世界が平和でなくてはなりません。100年後には日々ロボットに囲まれての生活になることが考えられますので、観光のもたらす感動や人との交流が今以上に大切なものとなってくると思われます。■ 郭進・摂南大経済学科教授  分野=経済1 経済・金融の指標が常に経済活動の実態を反映 ビッグデータやAIの発展によって、経済・金融の指標が常に経済活動の実態を反映できる。2 財政・金融政策を最適なアルゴリズムで策定 財政・金融政策は経済学者や政治家が決めるのではなく、最適なアルゴリズムに基づいて策定される。3 核融合エネルギーを低価格で使用■ 島田良一・摂南大法律学科准教授  分野=法学(刑事法)〔刑事訴訟法・刑事政策・少年法〕1 犯罪・非行からの更生者を受け入れる社会この世の中から犯罪がなくなること…と言いたいところですが、人類の歴史を見ても残念ながらそれはおそらく不可能なので、少なくとも、犯罪や非行をした人がきちんと立ち直ることができて、再び社会の一員として受け入れてもらえるような社会になればいいなと思います。そうなれば、みんなが「安全で安心して暮らせる社会」(再犯防止推進法1条)が実現します。■ 田中鉄二・摂南大経済学科准教授  分野=経済学 1 中国が覇権国家に…実現可能性 70% 中国が現在の非米諸国と協力関係にあり、世界の覇権国になっていて(既になりつつある)、その繁栄がピークを迎えているか過ぎ去っているかもしれない。アジア・アフリカ諸国の経済もかなり発展しているだろう。■ 持永政人・摂南大経済学科教授  分野=観光学1 国境を意識しない海外旅行の広がりと  紛争のない社会の実現 観光学の進展により、観光による多様な地域間、民族間交流の経済的、平和的意義が確立、またそれが広く認識されることによって、国境を意識しないでもよい海外旅行の普遍的な広がりと紛争のない社会が実現する。■ 中村友浩・大阪工大工学部総合人間学系教室教授  分野=健康スポーツ科学1 スポーツにおける身体情報の網羅的データベース構築実現可能性 60% スポーツ種目について、生理学的、力学的、戦術的な解明が完全に進み、パフォーマンス分析や、動作解析、脳内のニューロンの発火パターンなどの生理学的な変化がAI解析によって全容が解明され、世界的なデータベースが構築される。2 高精度即時フィードバックデバイスの開発実現可能性 50% 高精度即時フィードバックスポーツ・スカウターおよびウェアラブルデバイスが開発され、スポーツ場面で即時分析、即時助言、即時フィードバックが可能なシステムが使われるようになる。また、VR空間と連携することで空間や場所を気にせず、障害が起きない身体動作を選手自身がリアルタイムに得られる環境が整備される。3 身体的、空間的制限を超越した  スポーツ活動場面の実現■ 石井信輝・摂南大法律学科教授  分野=スポーツ1 社会が二刀流化(多様化)実現可能性 100%大谷翔平選手がこれまでの常識を覆し、二刀流で世界的に大きな成功を収めている。このような二刀流の潮流は、スポーツの世界だけにとどまらず、社会的現象となることを予想する。例えば、スポーツ種目での二刀流、文武の二刀流、本業と副業との二刀流など。ただクリアすべきハードルも存在する。その主要な一つが、二刀流というある種の“柔らかさ”・“多様性”を許容する社会となること。そのためには、人が様々な可能性を追求できるよう発想を転換することや、その発想を実現へと導く制度設計が必須となる。そのような発想の転換は大学にも求められる。■ 藤林真美・摂南大食品栄養学科教授  分野=運動生理学1 市民が主体的に健康の一次予防をできる社会実現可能性 60% 我が国の平均寿命は今や世界トップクラスとなっていますが、健康寿命との差は、男性で約9年、女性は12年以上もあります。この対策には、食生活の改善や適度な運動、定期的な健診と口腔ケアが重要とされています。病気になってから治療するという考えから、病気にならない健康な身体をつくることにシフトチェンジすることで、老化や病気の発症を遅らせることが可能で、経済・医療・介護問題が改善されると考えられます。2 女性が幸せな社会実現可能性 20% 農学部食農ビジネス学科と共同で、(主に農村・漁村の)女性の幸福度を上げることを目的とした研究を行っています。とりわけ日本では女性の幸福度について、発展途上にあると思われます。■ 服部宏治・広島国際大健康スポーツ学科教授  分野=スポーツ社会学1 大学中心のスポーツ活動を含んだ地域コミュニティ構築実現可能性 30%スポーツを生活の中に取り入れ、健康で充実したスポーツライフを送れることを理想とし、そのための条件整備が大学を中心に今後進んでいけばいいと考えています。現在、伝統的なスポーツに加え、アーバンスポーツやeスポーツなどの新しい分野のスポーツが台頭してきています。しかし、これらのスポーツを享受できる環境と、指導者不足が問題です。この問題を解決する可能性を持っているのが大学の資源(施設、用具、人材)です。今後、学生とともに広域地域住民がスポーツを「する」「みる」「ささえる」社会の実現を目指し、大学と地域住民、企業、行政が手を組む新しい仕組みを作っていければと思います。2 月旅行プランの一般化実現可能性 50% 月への運賃低廉化による、「月からの地球俯瞰ツアー」「月世界ホテルで楽しむ宇宙食の夕べ」といった月旅行プランも。October, 2022|No.100|FLOW実現可能性 100%実現可能性 90%実現可能性 85%実現可能性 95%実現可能性 ?%実現可能性 5%常翔学園3大学スポーツ、生理実現可能性 60%18アンケート 二刀流化 核融合発電

元のページ  ../index.html#19

このブックを見る