常翔学園FLOW100号
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■ わたなべ・たけしができますが、以前はどうやってイメージしたのですか?小川 大きな大会で強い選手や強いチームを見て衝撃を受けました。その動きの柔らかさやしなやかさを参考にしました。生で見て目に焼き付けることは大事です。日後 昨年の東京五輪の前に、ニュージーランドのチームが滋賀県の瀬田川で練習しているのを生で見ることができましたが、SNSなどで見るのとでは比較にならない迫力がありました。─現在の部の目標は何ですか?日後 直近の一番の成績がインカレ8位入賞なので、今年はそれ以上の成績でAファイナル進出をめざします。これまでのAファイナルのレースは4艇だったのが今年は6艇になります。だから最終日のAファイナルに進出できれば6位入賞以上になるということです。*バック台とは陸上でボート漕ぎの動きができるローイングエルゴメータ以前の器具。*1989年3月7日に淀川で神戸大漕艇部の2隻のボートが突風にあおられ、豊里大橋でUターンをしたものの後から来た1隻が突風により横転。ボートに乗っていた18人が川に投げ出され、3人が死亡した。小川 ローイングエルゴメーター以前に漕力の指標をどうやって知るかということだと思いますが、舟の様子で知るしかありませんでした。例えば舟の作る泡の状態やオールのしなり具合などで感覚的に推測しました。私のころにローイングエルゴメーターが出始めて今につながっています。平家バック台=*=でフォームや漕ぐ動作、タイミングを確認していました。ローイングエルゴメーターの原始的なものです。使い方によっては手が豆だらけになっていましたね。日後 私たちはSNSで海外の優れた漕ぎ手の動画を見て手本にすること■ ひご・たいち創部から現在に引き継ぐオールのブレードカラー。緑地に の「工」の白文字が映える。■大阪工大漕艇部=1955(昭和30)年11月、電気科有志で漕艇同好会を結成したのが始まり。1958(昭和33)年に体育会から漕艇部として認められて創部。1961(昭和36)年新艇「重吹」(エイト)進水。現在の部員は33人。OBOG会の重吹会の会員は約450人。毎月幹事会を開催、年2回広報誌を発行。10ついて再確認できます。─重吹会名誉会長の瀬川さん。大阪工大漕艇部の伝統を一言で表すと何ですか?瀬川 団結です。平家 それとこれまでずっと大学から強化団体として認定を受けてきたことですね。日後 オールのブレードカラーが創部以来、緑地に白い文字で「工」とあり、単色だけだったり線が入っているだけだったりの大学が多い中で大阪工大と直ぐ分かるブレードカラーは伝統として残したいです。員へのエールをお願いします。辻 これからの就職活動はコロナ禍で大変だと思います。私たちのころは就職氷河期で大変でした。それぞれの時代で大変なことはあり、みながそれを乗り越えてきました。それでも乗り越えられない壁がある時は、いろんな世代の先輩がいますからアドバイスを求めて頼ってください。平家 試合に勝ちたいという思いを大切にしてください。思いがないと実現しません。練習がつらいのは一時のことです。努力は人を裏切らず、苦労が多ければ多いほど達成感は大きいです。仮に結果が出なくても、その悔しさが大切です。負けて悔しくなければ努力が足らないと思ってください。今の経験が人生で必ずかけがえのないものになります。瀬川 仲良しクラブにならないでください。みなで切磋琢磨することが大切です。女性の漕ぎ手を増やすことにも力を注いでください。先輩は後輩を厳しく育ててください。小川 私は主にシングルスカルでしたが、振り返って一番楽しかったのはエイトで秋の大会に勝ったことなんです。究極のチームスポーツと言いましたが、一体感が達成できた時の舟の動きは次元が違って壁を一つ越えたと思えるものです。チーム全体でその瞬間を味わうことを目指してください。October, 2022|No.100|FLOW神戸大遭難碑に毎年献花─今後100年、大阪工大漕艇部が続いていくために何を引き継ぐ ことが大事ですか? 平家 安全を第一優先にしてください。もし重大事故が起これば部が100年続くことはできません。それと先輩たちの苦労を知り、先輩や親への感謝の気持ちを忘れないことです。社会に出たら恩返しとして後輩たちを支援してください。最後に神戸大漕艇部の遭難事故(1989年3月7日)=*=があった豊里大橋近くの慰霊碑に毎年、大阪工大漕艇部が献花をしていて神戸大からも感謝されています。安全への願いでもあるこうした活動も引き継いでほしいです。日後 神戸大の遭難事故は私たちが安全について見直す大きなきっかけにもなりました。必ずモーターのある船と一緒に練習をすることや風速5メートル以上の時はボートを出さない、など安全マニュアルが見直されました。慰霊碑に献花することで部員一人一人が安全に勝ちたい思いにこだわりを─最後にOBOGの皆さんから現役部

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