04August, 2022|No.99|FLOW剣道部の集合写真 前列左から2人目が山本署長、後列右から4人目が岡田署長あったからです。― 当時の思い出について聞かせてください。山本:学園祭で女装し当時流行したドラマ「スチュワーデス物語」を披露しました。たこ焼きの屋台を出したところとても繁盛して、非常に楽しかったです。岡田:会計係をしていたので、たこ焼きの売れ行きが良かったのはよく覚えています。合宿したのも良い思い出です。みっちり練習した後、夜は仲間と夢や希望を語り合ったのです。私にとって剣道部は自分をさらけ出せる場でした。それだけに、当時の仲間とは今でも交流が続いています。学園祭で(中央が岡田署長)油断や慢心があったことを悔やみました。それだけに、後進には常に「油断大敵」と言い続けています。山本:確かに稽古はしんどかった。けれど、それが今の自分の基礎となっていると感じます。警察学校は、いわゆる「学校」とは比べ物にならないくらい規律も訓練も厳しいです。きつい日々に耐えかねて辞めていく人もいる中でも乗り越えられたのは、剣道部での経験が淡路警察署署長「市民の方々の困りごとには真摯に向き合い対応するように」と常に言っています。地域住民から信頼されてこそ警察ですし、それが防犯にも生きてくると思います。岡田:私も署員には市民のために力を尽くせる「かっこいい警察官になろう」と言っています。また、私は若い頃、九死に一生を得ました。当時の事件のことやそこから得た教訓を特に若い警察官に伝える活動は私の使命として、取り組み続けます。―学園には警察官を目指す学生・生徒がいます。その後輩たちにメッセージをお願いします。山本:目標を明確に持ってほしいと思います。「何となく」「公務員だから」ではなく、「白バイ隊員になって交通安全を守る」や「人助けをする」など志を強く持つことが大切です。そのために、学生時代には部活動や学業などに励み、警察官としての土台を築いていってください。岡田:学生のうちに、強く優しいハートを養うようにしてください。警察官は凶悪犯罪者を相手にしますから「負けないぞ」という強い気持りつばんちが不可欠です。一方で、道案内や子供が歩道を横断する際の立番など、地域住民に寄り添う優しさも重要です。人としてのあたたかさを忘れないようにしてください。やまもと・たつや 1988年摂南大学経営情報学部経営情報学科(現:経営学部経営学科)卒。在学時は剣道部に所属し、岡田警視の2期後輩にあたる。同年兵庫県警に入り、警察官歴34年のうち約20年暴力団対策に携わり、神戸西署の副署長や歓楽街総合対策室室長などを経て2022年から現職。警視。兵庫県出身。岡田署長(当時は巡査)らの負傷を報じる号外市民に寄り添う「かっこいい警察官」に強く優しいハートを養い、志を強く― 署長として後進に伝えたいこと、取り組みたいことはありますか。山本:我々はどうしても発砲や殺傷など大きな事件に目が向いて、落とし物や騒音問題などは日常茶飯事と捉えがちです。しかし、市民の方々にとってはそうした身近なトラブルこそが一大事件ですので、署員には山本 達也 さん
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