常翔学園FLOW99号
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     にしむら・やすし19FLOW|No.99|August, 2022 学校法人常翔学園理事長に再任されました西村泰志です。1969年に大阪工大建築学科に入学以来、創立100年の歴史の半分以上を学園と共に生き、私にとってこの学園はもはや空気のような存在です。だからこそ学園創立100周年の2022年10月30日を理事長として迎えられることを光栄に感じるとともに、その責任の重さに身の引き締まる思いです。改めて緊張感と覚悟を持って2期目の学園運営にまい進してまいりますので、皆様の一層のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。 さて、理事長としてのこの2年間で痛感したことは、これからの学園の持続可能性の道を追求し、それを発信していくことが急務だということです。人口減少や少子化などの現状からシミュレーションすれば、100周年を迎えることが150周年、200周年を迎えられる保証にはならないという危機感を教職員で共有する必要があります。学園設置各学校で教育施設などハード面での充実は進みましたが、教育の質の向上がまだそれに追いついていないというのが私の認識です。厳しい競争を勝ち抜くうえでは、教育の質を上げ、優秀な学生・生徒を獲得していくことが求められますが、そのためにまず学園の3大学2中高の連携を強化する取り組みを推進します。 3大学にはあらゆる分野の優秀な研究者が多数在籍しています。メディアに取り上げられる研究者も増え、AO入試の面接では「あの先生の授業を受けたいので」と言う志願者も現れています。大学間だけでなく、工学と農学や医学と情報など異分野間の研究者の連携が新たな成果を生むことも可能で、それが既に拡大しつつあります。学生の教育も3大学で共同の取り組みを増やしていく必要があります。そうした連携で大学の研究力や教育力を大きくアピールできれば、現在3割近い学園2高校から3大学への進学率も更に上げられます。持続可能性のカギは連携にあると思っています。将来を見据える部門などの組織強化を今年、創立100周年以降の学園の長期ビジョン「J-Vision37」を設定しました。3つの柱の1つ目が教育・研究の連携です。あとの2つは「グローバルな視点を持ち、課題の発見・解決ができる人材育成」と「財政基盤の確立と改革をリードする組織運営体制の構築」です。留学生の受け入れや海外の大学との連携というグローバル化を更に推進します。大学院への進学率向上も欠かせません。 教育改革をリードする組織にするために、学園の将来を見据えてさまざまな企画立案をする専門部署の強化が必要です。3大学の魅力を発信するため、広報・ブランド戦略の確立も急がなければいけません。新型コロナウイルスの感染拡大は、いまだ予断を許しませんし、ウクライナの戦争や食料危機、インフレや円安の進行など世界は不確実な時代に突入しています。すべての教員、職員が常に勉強し、知恵を出し合うことが求められます。この難しい時代を乗り切るために教職員の皆様の力を借りながら、教育改革と組織改革の実現を目指してまいります。学校法人常翔学園理事長西村 泰志GAKUEN NEWS学園内連携による研究・教育の質向上が生き残りのカギ

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