常翔学園の設置学校で学ぶ留学生を紹介する「GLOBALVOICE」。第11回はサウジアラビア王国のカティーフ市から大阪工大大学院に留学中のアルアリ・ムハンマドさんです。政府から奨学金を受けながら医療・工学の2つにまたがる分野を学び、ムール貝が岩に付着する性質をヒントに、皮膚の医療用接着剤を研究しています。抜糸が不要目指したい」と語ります。ムール貝の生態をヒントに医療用接着剤を研究縫合糸の不要な医療を目指すで患者への負担も軽減される接着剤に期待を寄せるアルアリさん。「縫合糸のない医療をお国自慢大阪工大大学院 化学・環境・生命工学専攻博士前期課程2年アルアリ・ムハンマド・アハマドゥ・アラウィーさん世界に誇る石油産出国日本とは意外な類似点も 世界第2位の原油埋蔵量を誇るエネルギー大国で、面積は日本の約5.7倍ながら人口は約3400万人。一般的に高温で乾燥した気候が特徴だが、広大な国土ゆえに地域によって大きく異なる。産油地帯のある東部・ハサ地方は砂漠に覆われ砂嵐も多いが、首都・リヤドがあるナジュド地方は夏の日中の気温が45℃まで上がることも。高温多湿な西部・ヒシャーズ地方には、イスラム教の聖地・メッカとメディナがある。イスラム教ワッハーブ派を国教とする敬■なイスラム教国家。公用語はアラビア語で、右から左へ書く。日本と同様に書道が存在する。 サウジアラビアはなんと言っても石油産出国。2020年の輸出額は世界1位の約941億ドルを誇り、国有会社・サウジアラムコの保有原油埋蔵量、原油生産量、原油輸出量は共に世界最大です。また、イスラム教発祥の地として有名で、創始者・ムハンマドが誕生・没したメッカとメディナは聖地です。特にメッカは最大の聖地で、世界中から何百万もの巡礼者が訪れます。 ソウルフードは米・肉・野菜を炊き込んだ「カブサ」。黒コショウやサフランなど香辛料をふんだんに使用します。ただし、イスラム教の食事戒律に基づき豚肉は使用しません。おもてなしの象徴として、カルダモンやサフランなどを加えて煮出すアラビアンコーヒーも有名です。 日本とは文化も歴史も異なりますが意外と似ている点も。特にコミュニケーション方法は日本と同じ“ハイコンテクスト”で、メッセージは行間で伝え行間で受け取ります。8700㌔も離れた遠い異国の地なのに不思議ですね。07FLOW|No.98|May, 2022サウジアラビア王国同大大学院化学・環境・生命工学専攻入学。温泉街の風情が好きで、大分県別府市の街並みがお気に入り。イスラム教徒。Alali Mohammed Ahmed Alawi1995年、サウジアラビア王国の東部に位置するカティーフ市に生まれる。2017年に大阪工大生命工学科に入学、2021年卒業。同年、サウジアラビア王国リヤドイラクカティーフイラン
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