常翔学園FLOW97号
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いどもと・さき06March, 2022|No.97|FLOW今春、学園全体で約5630人が卒業・修了し、それぞれが選んだ道を歩み始めます。新しい世界に羽ばたいていく先輩から後輩たちへ心からの「エール」を送ってもらいました。インターンシップ期間中に欠かさずつけていた実習日誌(左)と就活ノート●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●昔からあちこち旅行してきた井戸本さんは宿泊先のホテルを見て回るのも好きで、上品で洗練された空間やそこで働くスタッフに憧れていました。そのため観光経済コースのある摂南大経済学科を目指し、入学後は観光学を中心に学びを深めていました。同学科には学科独自のインターンシップ制度があります。ホテル椿山荘東京(東京都文京区)でのインターンシップ募集を見て心ひかれた井戸本さんは応募用紙を提出しましたが、1人暮らしと仕事の両立に自信がなく不安な気持ちはいつまでも拭えませんでした。また、それまで大きな挑戦と呼べる経験をしたことが無かっただけに「挑戦して失敗したらどうしようという恐怖もありました」と当時の心境を振り返ります。しかし、何事も経験してみないと分からないと奮起し、東京へ乗り込みました。 華やかな世界を想像していた井戸本さんを待っていたのは、気力と体力勝負の毎日でした。配属された客室サービス課では、宿泊客からの問い合わせやタオル等の追加補充の希望に対応するなど多岐にわたる業務を行います。客室から電話が入れば急いで駆けつけるため、事務所のある地下1階から地上6階までを階段で何度も往復。靴擦れこそ無かったものの「足はパンパン」で業務が終われば自室で泥のように眠ったと苦笑します。また、宿泊者数に応じて部屋のベッドを入れ替える力仕事や、チェックイン直前の清掃チェックも行いました。髪の毛1本さえ見逃さない従業員のプロ意識を目の前にして「仕事をするって、こういうことなんだ」と感銘を受けました。それからは、細部にまで目と気を配るよう心掛け、宿泊客の荷物や何気ない会話から子供用のアメニティグッズをあらかじめ準備するなどきめ細かなサービスを提供できるようになりました。 インターンシップは「人生で一番の思い出で、一番濃密な時間」と振り返る井戸本さん。仕事の意義や流儀を学んだことはもちろん、自信がついて何事にも積極的に挑戦する姿勢が身につきました。その姿勢は就職活動でも生かされ、希望していたイオンモールの内定を得ました。自分がホテルの空間に魅せられたように「お客様の笑顔があふれる空間を、よりお客様に近い場所で創出できるなら」と心を決めました。テナント営業を担当するか、警備・清掃・設備スタッフと連携し施設の管理を担当するか、職種はこれから決まります。全国転勤が伴いますが「これも挑戦です」と力を込めます。 思い切って飛び込んだインターンシップ先で、大きな学びと成長があった井戸本さんだけに「行動は起こしてみるもので、何事も挑戦してください。必ず自己成長につながるはずです」と後輩にエールを送ります。イオンモール 内定摂南大学 経済学科4年インターンシップで教えられた仕事のプロ意識を原点に 今春からイオンモールの社員として新たな生活をスタートさせる井戸本さん。全国展開する商業施設を運営する日本屈指の商業大手での挑戦を前に気を引き締めています。前向きでチャレンジングな井戸本さんの原点は「最も濃密な1カ月」と振り返るホテルでのインターンシップにありました。井戸本 咲輝 さん

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