常翔学園FLOW97号
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こまつ・こうき京セラ 内定大阪工業大学大学院 化学・環境・生命工学専攻 博士前期課程2年大学に入ってできた友人に誘われて入部したのがストリートダンス部でした。それまでダンスとは無縁でしたが、自分を表現する魅力にはまった小松さんはたちどころに腕を上げ、2年生の秋には部長に就任し約100人もの部員をまとめる大役を担うまでに。覚悟はしていたものの、部内で意見が衝突してまとまらない苦労もありました。そこで小松さんは、部員たちの話に耳を傾け、個々の思いを汲むことに注力したと言います。そしてみんなが納得する形を粘り強く追求しました。また、学園祭などのイベントで司会進行を務めていくうちに人前に出て話すことが苦ではなくなりました。「傾聴力や粘り強さが養われ、度胸もつき、成長したかな」とはにかみます。更に、ダンスは技術以上に自己表現力が評価される世界であるため、“自分の芯”をつかんでしっかり表現していく大切さも学びました。部活動での経験は小松さんにとって「生涯の財産」です。 部を引退した後は大学院に進学し、太陽電池の高効率化・高耐久化の研究を行いました。学部生の頃から「将来は研究開発職に就きたい。そのために大学院へ進学する」と決めていた小松さんが太陽電池をテーマに選んだのは、地上に降り注ぐ太陽光エネルギーの可能性に興味を持ったからです。大学院での研究は学部時代とは比べものにならないほど忙しく、時間がいくらあっても足りません。「分身できたらいいのにと何度も思った」と笑います。 小松さんが就職活動をする上で信条としていたのが「いろん05FLOW|No.97|March, 2022躍動感のあるダンスパフォーマンスを披露する小松さん(中央)な企業の採用試験に挑戦し、妥協せず、自分の選択に後悔しないこと」です。そのため、内定を得た後も自分が納得するまで就職活動を続けました。しかし思うような結果が出ず落ち込むこともあり「今の内定先に就職しようかと考えた瞬間もありました」と打ち明けます。それでも活動を続けたのは、ここで諦めてしまったらいつか後悔すると思ったからです。そこで電子部品業界トップの京セラにも果敢に挑戦。狭き門の採用試験でしたが、面接では取り繕うことをせずダンスのように素直な自己表現を心掛けました。その結果、飾らない誠実な姿勢が高く評価され「この会社で一緒に頑張りませんか」と言われ、内定を得ることができました。「努力が実り、喜びもひとしおでした」と笑顔を浮かべます。大阪工大で過ごした6年間について小松さんは、部活動での経験が自分の基礎となり糧になったと言います。特に「ぶれることのない“自分の芯”を持つことの大切さは就職活動に通じるものがありました」。それだけに後輩たちには「確固たる信条を持つことで開ける道がある」と語ります。また、最後まで妥協せず就職活動を続けたことから「後悔のない就職活動をしてほしい」と言います。小松さんからの力強いエールです。特集部活動で培った「ぶれない自分」は研究や就職活動の支えに「後悔しない就職活動をする」と決めていた小松さん。順風満帆とはいきませんでしたが、最後まで妥協しない自分を支えたのは、ストリートダンス部の活動で培った粘り強さとぶれない姿勢でした。「部活動は僕の財産」と胸を張る小松さんは、今春から京セラの生産技術開発職としての道を歩み始めます。2022Yell新卒生からの「エール」小松 晃貴 さん

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