常翔学園FLOW96号
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■全日本柔道連盟科学研究部で映像分析なげII ょこやまたかゆき■2006年筑波大学体育専門学群卒。2009年同大学院人間総合科学研究科博士前期課程修了。2010年摂南大学スポーツ振興センター保健体育教室特任助教。2013年から現職。1997年高校総体(柔道90キロ級)で新潟票代表。201l年第3回世界柔道形選手権大会(投の形)優勝。2012年、2014年から2018年の同大会でかたコロナ禍の厳重警戒のもと開催された東京五輪。本学園の教職員は実況解説者やアナリスト、競技監督やボランティアといったさまざまな形で大会に関わりました。2020東京五輪X「Team常翔」第36回は、それぞれの立場から見た東京五輪を振り返ってもらいました。形の披露を終えた日本武道館で。横山講師(右)とペアを組む福岡大の坂本道人准教授摂南大学柔道部監督・スポーツ振興センター講師東京オリンピソクで圧倒的な強さを見せた日本柔道。一時は海外勢に押されていましたが、20 1 6年のリオデジャネイロオリンピソクで復活の兆しを見せ、今大会では史上最多9個の金メダルを獲得しました。この大躍進を裏で支えたのが全日本柔道連盟科学研究部で、横山講師はその一員として7月24日〜8月1日の分析には『D21-JUDO』という柔道独自のシステムを使用します。試合映像を見ながら、技・組手・反則の種類やポイントなどの情報を具体的に入力しデータベース化するもので、横山講師は「膨大に蓄積されたデータを基に、個々の選手ごとの“戦術カード"を作っていくイメージです」と話します。大会期間中は、IOCから配信される試合映像を見ながら、ひたすら情報を入力していく日々を送リました。システムには、選手のみならず審判の特徴なども入力します。なぜなら、審判によって判定が微妙に異なるからです。「試合はあくまで選手同士の戦いですが、審判によって勝敗が左右されることもあります。それを事前情報によって回避するという点でも、審判を分析することは大きな意味を持ちます」。それだけに横山講師は、2年後のパリオリンピソクで科学研究部員として再招計9日間、現地で試合の映像分析を担当しました。集された際には、特に審判の分析に注力し「よリ詳細なカードを作リ、日本代表が戦いやすい環境づくりに貢献したい」と語リます。実は横山講師は科学研究部員の役割のほか、大会初日のエキシビションとしてペアで行う形の披露も行いました。エキシビションは19 6 4年の東京大会でも行われた伝統あるものです。形の世界選手権で過去7回世界ーになった横山講師は7種類ある形のうち、投の形を披露。五輪史の1ページに残ることができましたと振リ返リます。「科学研究部員として、形の選手として、多角的に参画できた感慨深い大会となりました」。国内メディアからも注目の的に9日間でした。科学研究部は試合会場外に拠点を置き、そこで映像の分析を行っていました。関係者以外が出入りするような場所ではありませんでしたが、金メダルラッシュに比例して、どんな分析をしているのかと国内メディアなどが押しかけてくるように。「他競技のアナリストまで視察に来た時は驚きました」。黒子役である科学研究部が一躍有名になった2008年から科学研究部員。修士(体育学)。新潟県出身。JANUARY, 2022 I No.96 I FLOW 04 東京五輪体験記ーそれぞれの立場から見た東京五輪一輪柔■-優勝。講道館五段。全日本柔道連盟公認審判員で、EE】-FK洲横山喬之

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