JOSHO TOPICS大阪工大は4月1日、枚方キャンパスの情報科学部に第5の学科となる「データサイエンス学科」を開設し、1期生72人が入学しました。本学科は政府が提唱する「Society5.0」実現のため、データをもとに新たな価値を創造できる人材「データサイエンティスト」を育成することを目的としています。また、データサイエンティストに必須となる「ITスキル」「データ分析力」「価値創造力」の3つのスキルを身につけるため、情報科学系以外にも社会科学系の科目も配当。同学部既存4学科やデータ利活用企業との連携、地域課題解決プロジェクト「Hirathon(ヒラソン)」などの取り組みを通じて、社会や企業に新しい価値を提供します。同14日には、開設記念講演会を同キャンパスで開催。学外に向けてオンライン配信も行い、約120人が聴講しました。講演会では、本学教員による学科開設趣旨説明やカリキュラム紹介の後、最前線で活躍する2人の講師による記念講演がありました。初めに登壇したQuantum Analytics のCEOでデータサイエンティストの古屋俊和氏は「データサイエンティストの仕事の未来と人材育成について」をテーマに、自身の経験やAI開発の現状を解説。データサイエンティストを「21世紀で最もセクシー(魅力的)な仕事」であると紹介しました。続いて、「技術の変遷から見える未来社会とは」をテーマにソフトバンクIT本部アドバンスドテクノロジー推進室Technical Meisterの小島一憲氏が講演。Society1.0~5.0を4つの革命と捉え、その4つ目「AI革命」を人類史上最大の革命であると説明。第5世代移動通信システム「5G」がもたらす可能性を示唆しました。会場の新入生らは、新学科の学びに期待を膨らませながら熱心に耳を傾けていました。新たな未来社会の実現を目指して 「データサイエンス学科」を新設2月26日、寝屋川キャンパスに2号館・体育練習場・部室棟3が誕生しました。2号館は地上2階建てで、延べ床面積は3389㎡。食堂やテラス、ラーニングスペースなどを備えた学生の交流と学習の新拠点です。壁面の大部分が外部・内部ともガラス張りとなっており、モダンで開放的な空間を作り上げています。1階の食堂は798席。床やテーブルなど随所に温かみと落ち着きのある木目調をあしらい、人数や目的に対応した5つのエリアに区分されています。ダイニングエリア、食事以外の活動の場としても利用できるグループエリアと多目的エリア、ゆったりとくつろげるソファエリア、1人でも気軽に利用できるカウンターエリアで構成され、さまざまなシーンやその日の気分に応じて利用できます。2階には、学生課の他、グローバル教育センターやラーニングセンターをはじめ、多目的に利用できるラーニング・コモンズなどを配置。2階テラスには広々としたデッキガーデンを設け、学生が集い、交流と学びを深める機能と空間を実現しました。課外活動の中核施設となる体育練習場は、バスケットボール、バレーボール、バドミントン、卓球などの屋内競技で利用できる約630㎡の練習場と、大きな鏡を備えたダンスの練習や武道系競技などに利用できる約150㎡の練習場を設置しています。隣接する2階建て部室棟3は、部室として使用できる部屋が35室、防音設備の整った音楽練習場2室の他、学生談話室1室を備えています。これら新施設の誕生により、キャンパスライフがより快適になり、活気にあふれています。寝屋川キャンパスに2号館・体育練習場・部室棟3が誕生屋内競技のための体育練習場部室棟3のエントランス4つの革命を解説する小島氏はオンラインで登壇したガラスを多用したモダンな外観の2号館基本的な統計的処理とその結果の解釈などを学習する1期生ら5月8日、20人の履修者を迎え、梅田キャンパスで社会人向け講座「AIデータサイエンス・リカレント教育プログラム(履修証明プログラム)」がスタートしました。機械学習やデータマイニングなど基礎的な理論を実践的に学ぶ講義で、内閣府の人工知能技術戦略実行計画で示されている「独り立ちレベル」の人材を養成し、Society 5.0の実現を可能にする人材の育成に寄与することを目指します。プログラム修了要件を満たした者には、大阪工大大学院情報科学研究科が発行する履修証明書が授与されます。また、本プログラムは社会人や企業等のニーズに応じた実践的・専門的なプログラム「職業実践力育成プログラム(BP)」として文部科学大臣から認定を受けています。データマイニングの実践的な手法を学ぶ社会人向け講座の履修生ら07FLOW | No.93 | May, 2021学びの場を広げ、グローバルに活躍できる人材を■教頭から校長に就任されて、改めて抱負をお聞かせください─ 将来、グローバルな社会で活躍できる生徒を育てることが大きな目標です。少子高齢化とともに日本に住む外国人も増加し、外国人と共存共栄しなければいけない時代が到来します。企業の中で社内での公用語が英語になるというような言葉の面だけでなく、外国人の気持ちも理解できるグローバルマインドが必要です。そのために学校以外の場での学びも進めます。学園内3大学との連携を生かして、大学の研究を体験させ、海外留学も増やしたいです。もちろん本校の教育方針である学力伸長と人間力育成も更に追求します。生徒には学びに貪欲になってほしいです。人間力育成とはさまざまな人との交流を通して心の成長を図ることです。■常翔啓光学園中高のアピールポイントをどう認識されていますか─ 生徒と教員の距離が近いことが最大のアピールポイントです。学習や進路のことだけでなく個人的な悩みの相談にも親身になって乗る教員が多いです。職員室は誰でも入りやすいオープンなスペースで、質問をしに来たり、アドバイスを求めに来たりする生徒の数はどこの学校にも負けません。本校は常翔学園と合併する前にはカトリック校だったこともあり、隣人愛とも呼べるものが伝統のように受け継がれています。さまざまな学校行事を見ても、生徒と教員、生徒同士で他者を受け入れるという気持ちが強く感じられます。■コロナ禍でのオンライン授業や大学入試改革など学校教育は大きな 転換点を迎えています。教育改革ではどんなことに力を入れますか─ コロナ禍でも通常の授業全てをICT機器を使って実施できたと自負しています。それが評価されたことが、今春の受験者数、入学者数の増加につながったと思います。今後はオンライン授業と対面授業のそれぞれの良さを取り入れたハイブリッド授業を実践していきます。生徒の理解度をよく見て取れるのは対面ですし、オンライン授業は繰り返し見られて生徒個々の理解度が深まります。例えば英語のスピーキングやリスニングの能力はオンライン授業やICT機器活用で顕著に上がりました。中学校の終礼はネイティブスピーカーの先生にも担当してもらっていますが、生徒が自ら先生に話し掛けることにためらいが減ってきました。 SDGs(国連が設定した持続可能な開発目標)教育にも力を入れていきます。カードゲームを通して指導する公認ファシリテーターの資格を既に3人の教員が取得しました。生徒たちには、ゲームを通して広く社会や世界の問題に目を向けてもらいたいです。 高校では新学習指導要領も求める探究型学習活動も促進します。課題をグループで検討し、解決策を見つけてそれをプレゼンテーションする学習です。「未来の街づくり」という企業などから出されたリアルな課題にも取り組みます。■大学進学は保護者から最も注目される点ですが、方針をお聞かせ ください─ 何より生徒個々の第1志望に合格させることです。国公立の合格者を更に増やすことも当然ですが、私立や学園内3大学など、生徒一人一人の目標に沿ったきめ細かな指導を心掛けます。生徒が将来何をしたいのかを教員がしっかり把握して、目標に合う大学の情報も提供します。大学によって得意分野があり、生徒がやりたいことをできる大学が地方にあることもあります。本校の生徒の進学先がバラエティーに富み、広く全国に散らばっているのも、そうした教員の研究の成果です。■大事にしている言葉や趣味を教えてください─ 校長として初めての入学式では、新入生たちに後漢書にある「志ある者は事竟に成る(しっかりした志があれば、必ず最後には成し遂げることができる)」という言葉を贈りました。趣味は中学時代の同級生とたまに行くゴルフです。常翔啓光学園中学校・高等学校校 長 山田 長正GAKUEN NEWS 常翔啓光学園中学・高校では吉村仁志前校長の退任を受け、4月1日、新校長に山田長正氏が就任しました。任期は前校長の残余期間の1年です。大学卒業後に母校である当時の啓光学園中学・高校の英語科教員となり、常翔啓光学園中学・高校に変わってからは進路指導部長、高校教頭として経験を積んできました。学校のことを知り尽くした山田新校長に今後の学校運営などについて伺いました。■ 常翔啓光学園中学校・高等学校 新校長インタビューやまだ・ながまさ 1983年啓光学園高校普通科卒。1988年関西大学文学部英文学科卒。同大学事務職員を経て、1990年啓光学園中学・高校(現:常翔啓光学園中学・高校)英語科教諭に。進路指導部長を経て、2016年高校教頭。2021年4月から第14代校長。学園理事。大阪府バレーボール協会公認上級指導者。11FLOW | No.93 | May, 2021高校バレーボール部(男子)監督も務めたつい
元のページ ../index.html#12